2020 Fiscal Year Research-status Report
国際規範の政策化と実施段階における変容メカニズムー東アジアの事例から
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19K01510
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
湯澤 武 法政大学, グローバル教養学部, 教授 (10583883)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 国際関係理論 / 規範研究 / 実践理論 / 政策過程論 / 国際制度 / 国際規範 / 構成主義 / 東アジアの国際関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、コロナ禍により国外での聞き取り調査の実施が不可能になったことから、主に研究目的の一つである「規範の政策化と実施段階における地域諸国間のインタラクションを通して、地域制度に制度化された規範の意味解釈が変化するメカニズム」の理論的な解明と関連する理論枠組みの発展に力を注いだ。そのために、主に社会学、組織研究の分野で発展してきた実践理論や規範研究、政策過程理論(主に政策デザイン理論、政策フィードバック理論)に関する文献レビューを集中的に行った。この作業を通して、当該分野における理論的知識を更に深化させることができたが、結果として、昨年度にまとめた理論枠組みに関する論文の主要箇所を書き換えることとなった。具体的には、昨年度の論文では、国際制度に制度化された規範が、政策プログラムに転換される段階において、制度固有の組織的慣習によって、その規範の意味解釈が常に一定の方向に再定義されるメカニズムを理論的に説明したが、今年度は、その規範の再定義化によって、制度内に常に似たような協力活動が再生産されるメカニズム(つまり制度固有の組織的慣習により、制度の協力活動が長期的に停滞し続ける、発展していかない)も理論枠組みの射程に含めるべく、研究を重ねた。 またその研究成果を国際的に問うべく、ISA(世界国際関係学会)の2021年度年次大会にパネルを組織して応募し、無事に受理された。2021年4月に開催されたオンライン形式の学会で発表を行い、パネル参加者から有益なフィードバックを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍により聞き取り調査を目的とした海外渡航が不可能になったことから、事例研究に必要なデータの収集を行うことができなかった。また特に2020年度の4月から8月にかけては、コロナ禍によって生じた職務上・生活上の急激な変化への対処に多くの時間を割くことを余儀なくされ、研究の時間を十分に確保することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の最優先事項は、2021年4月上旬に国際学会で発表した理論枠組みに関する論文を、学術誌に投稿することである。学会発表で得たフィードバックを論文に取り入れ、論文の質の更なる向上に努めたい。本研究の更なる推進には、事例研究に必要なデータ収集を国外で実行する必要があるため、2021年度は2020年度に実施出来なかったシンガポールとインドネシアでの聞き取り調査を是非とも行いたいと考えている。しかし、2021年度も海外に渡航することは極めて困難になることが予想されることから、当面は2次資料の収集を軸に進める予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、米国で開催予定であった学会(ISA年次大会)がオンライン化されたことと、予定していた海外調査が、コロナ禍によって実施出来なかったことにより、助成金で計上していた旅費が全額未使用となったためである。2021年度も海外調査が実施できないとなれば、科研費の執行期間を1年はもとより2年程度延長せざるを得ないと考えている。
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Research Products
(1 results)