2020 Fiscal Year Research-status Report
日本本土における米軍基地問題の史的展開―「危険性」の変容と「同盟」強化
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19K01515
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
吉次 公介 立命館大学, 法学部, 教授 (40331178)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 在日米軍 / 米軍基地問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度からスタートした本研究事業は、2020年度で2年目を迎えた。2019年度においては、外務省が刊行している『外交青書』や防衛庁・防衛省が刊行している『防衛白書』などを通して、基礎的な事実関係の把握を行った。それを踏まえつつ、2020年度においては、以下のような調査を行った。なお、2020年度においては、新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、学外での調査は控え、学内で利用可能な資料の調査を行った。 第一に、立命館大学図書館等で利用できる『読売新聞』で、1950年代から80年代までの米軍基地問題に関する記事の閲覧・収集を実施した。事実関係の把握はもとより、米軍基地に関する世論調査の結果や、読売新聞の社説が米軍基地問題についていかに論じているかを検討した。読売新聞も、かつては、米軍基地問題について厳しく批判していた点が、注目される。 第二に、アメリカ政府の外交文書の調査を行った。具体的には、The John F. Kennedy National Security Files Asia and the Pacific: National Security Files, 1961-1963, University Publications of America, 1992, microfilmやThe Lyndon B. Johnson National Security Files, Asia and the Pacific: National Security Files, 1963-1969, University Publications of America, 1993, microfilmなどの調査を実施した。 上記のような資料調査を進めつつ、先行研究の読解も進めた。また、国際政治史、アメリカ外交史や日本政治外交史などに関する文献の収集も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの感染拡大により、出張を伴う調査が全く実施できなかった。また、アルバイトを雇用して、資料の収集・整理作業に従事してもらう予定であったが、感染拡大防止の観点から、それも見送った。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度においても、新型コロナウィルスの感染が続いていることが予想されるため、出張を伴う調査を実施することは難しいのではないかと思われる。よって、立命館大学に所蔵されているアメリカの外交文書などの諸資料や、オンラインで入手できる情報を活用して、研究を進める予定である。もちろん、新型コロナウィルスの問題が収束した暁には、国会図書館などでの調査を再開したい。なお、新型コロナウィルスをめぐる社会情勢を見極めつつ、アルバイトを雇用して、資料の収集・整理作業に従事してもらうことも考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、出張を伴う資料調査を一度も行うことができなかったことが、次年度使用額が生じた最大の理由である。また、新型コロナウィルスの感染防止の観点から、アルバイトの雇用を行わなかったことも、次年度使用額が生じた大きな理由である。 2021年度における使用計画は、以下の通りである。まず、日本外交史、日米関係史、国際政治史・世界史関連の図書の購入や、アメリカの外交文書やさまざまな日本側資料の収集・複写への支出を予定している。また、新型コロナウィルスにかかわる社会情勢次第ではあるが、資料の収集・整理を効率的に進めるためにアルバイトを雇用する経費の支出も計画している。さらに、社会情勢が許せば、東京の国会図書館などでの調査のための支出も行いたい。
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