2020 Fiscal Year Research-status Report
Subnational Conflicts and Transitional Justice: Secessionist Movements in Asia
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19K01516
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
クロス 京子 京都産業大学, 国際関係学部, 准教授 (40734645)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 移行期正義 / 東ティモール / Chega! National Centre / 補償 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の研究成果は、国際学会における研究発表( “The Pursuit of Justice, Truth, and Peace: Reflections on 20 Years of Imperfect Transitional Justice in Timor-Leste,” 9th Biennial Oceanic Conference on International Studies, Session 2, Panel 1, The Australian National University, Canberra, Australia, Dec. 10. 2020.)に基づく論文執筆である。本論文は、すでに掲載の採択を得ており、2021年度に公刊される予定である。 本報告・論文では、東ティモールの独立から20年間の移行期正義の取り組みを振り返り、中間評価を行った。移行期正義研究において、効果をいかにしてはかるのかが議論されているが、本研究では、移行期正義のそれぞれのメカニズムの直接的影響や制度的目的が達成されたかどうかを分析するのではなく、移行期正義に関連して実施されたメカニズムを長期的・包括的に評価することの重要性を論じた。 本研究には、昨年度実施した現地調査の成果も盛り込んだ。2016年に新設されたChega! National Centreで得た情報を用い、取り残された被害者への補償がいかにして実施に至ったのか、その経緯を移行期正義の中間評価に関連付けて論じた。 また、これまでのアジアのサブナショナル紛争に関する文献調査をまとめ、アジアの紛争と平和構築に関する論文執筆に着手した。2021年度に公刊予定である。本論文では、スウェーデンのウプサラ大学平和紛争研究学部・紛争データプログラム(UCDP)のデータなどを用い、アジアの紛争の特徴を述べ、必要とされる平和構築支援について、インドネシアのアチェとフィリピンのミンダナオでの平和構築の取り組みの事例に言及しながら論じている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は新型コロナウィルスの感染拡大のために、現地調査を行うことができず、予定していたスリランカ調査を実施することができなかった。他方、昨年度の現地調査に基づいた学会報告と論文執筆に十分な時間を割くことができた。また、ビデオ会議システムを用いた研究会に参加し、現地では会うことが難しい実務家や研究者らとネットワーキングをすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に渡航が難しい場合は、ビデオ会議システムを用いてインタビュー等を実施することを検討する。
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Causes of Carryover |
現地調査ができなかったために、旅費と現地コーディネーターへの人件費が発生しなかったため。渡航ができるようになれば、短期間でも現地調査を増やすことを検討している。
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Research Products
(1 results)