2023 Fiscal Year Annual Research Report
International Institutions in Shifting Power Relations
Project/Area Number |
19K01521
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
古城 佳子 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (30205398)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 国際制度 / 勢力分布と代表性 / 国際経済組織 / IMF / 国際政治経済 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の国際関係において国際秩序の揺らぎが大きな課題となっている。第二次世界大戦後の国際秩序の中心的な合意は多国間主義(multilateralism)であり、多数の多国間制度が設立された。本研究は、一旦構築された多国間国際制度において、加盟国間の勢力分布が与える影響とそのメカニズムを明らかにするために、勢力分布を可視化できる国際経済組織に焦点を当て明らかにした。 勢力分布の変容と制度的な影響を考察するために、代表性(voting power)と責任分担(burden sharing)の関係の重要性に着目し、その変容を分析した。焦点を当てた3つのグローバルな国際経済組織において、2022年度までに、設立当初、代表性がどのように認識されていたのか(国際組織における異なる意思決定制度が採用された背景)を検討したが、2023年度は、加重投票(weighted voting)制度をとるIMFにおける勢力分布の変化(1980年代の日本の経済力の増大、2000年代の中国の経済力の増大)と代表性との関係を資料に基づいて考察した。責任分担の増加を求める加盟国の要請に対し、代表性が低下する加盟国の合意が必要である点が重要であるため、責任分担と代表制との関係を明らかにするには、最大の責任分担を行なってきたアメリカの多国間制度政策を明らかにする必要がある。この点の分析には資料的な裏付けが必要であり、web上で公開された資料収集と分析を行なってきたが、web上で公開されていない資料については米公文書館において収集し分析を続けた。本研究に関係する多国間の制度、国際秩序に関する論考を作成し(2024年度に刊行予定)、国際会議でその一部を発表した。
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Research Products
(3 results)