2021 Fiscal Year Research-status Report
ポスト冷戦期における新興国の国際秩序再編構想ーロシア、中国、ブラジルの比較研究
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19K01522
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
浜 由樹子 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (10398729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽根 次郎 明治大学, 政治経済学部, 専任准教授 (30726261)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ネオ・ユーラシア主義 / ファシズム / 大衆路線 / 中国 / ロシア |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者の浜は、ロシアのポスト冷戦期の国際秩序構想として、外務省周辺の実務家たちが編み出した「拡大ユーラシア」構想、そしてその思想的淵源についての研究を続行し、成果の一部を現在投稿準備中である。 また、ロシアのネオ・ユーラシア主義と欧米に広がる「ファシズム」言説の関係についても引き続き検証を続け、翻訳書とその解説として発表した。 折しも、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まり、ロシアの極右思想への社会的関心が高まっていることもあり、研究の社会還元も積極的に行っている。 研究分担者の羽根は、中国共産党史における「大衆路線」の分析を通じて、政治的意思決定における中立性や客観性、透明性といった、昨今主流の立場に対する相対化を試みた。この研究プロセスを通じて、現代中国における秩序構想を理解する手がかりの一つを得、論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の拡大の影響、ならびに、ロシア・ウクライナ戦争の開始と日本外務省の渡航中止勧告を受け、ロシア、中国それぞれでの現地資料調査が不可能になったことから、当初の研究計画を部分的に変更せざるを得なくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
ロシアに関しては、現地での新たな資料収集は断念し、これまで収集につとめてきた一次・二次資料をもとに、昨今の情勢に照らした言説分析、先行研究の再整理、現段階での資料の読み直しと解釈に注力している。最終年度に関しては、ここまでの成果の発表に力を入れることとする。中国については、これまでの基礎的な研究実績を踏まえ、「ウクライナ問題」をはじめとする「陸」の世界の近年の動揺への応用分析および理解を進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の世界的拡大、ならびに、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の影響を受け、当初予定していた中国、ロシアそれぞれでの現地調査ができなかったこと、国際学会が中止・延期となったことで研究計画を変更したことによる。
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Remarks |
【社会発信】浜由樹子「プーチンはなぜウクライナの「非ナチ化」を強硬に主張するのか?その「歴史的理由」」『現代ビジネス』(オンライン)2022年3月13日;『朝日新聞』朝刊「オピニオン」2022年2月25日;「プーチンの戦争」インターネットチャンネル「論壇ことのは」特別企画番組、2022年3月8日;『朝日新聞』朝刊教育面、2022年3月17日他。
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