2022 Fiscal Year Research-status Report
主要国によるグローバル・ガヴァナンス規範の支持―混合的手法による分析
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19K01525
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
栗栖 薫子 神戸大学, 法学研究科, 教授 (00294968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
エルカン キビリチム 神戸大学, 法学研究科, 研究員 (60825868)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | グローバル・ガバナンス / 規範 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、国連総会における主要国が、グローバルガバナンスにかかわる価値に対しどのような姿勢をとってきたのかについて引き続き研究を行った。周源(神戸大学)との共著論文(2021年度)は、初期的な研究成果であるためそれを発展させるべく研究を継続している。 また、関連する研究として、主要国のうち、日本の政策エリートによる規範の受容のありかたについてとりあげ、日本の多国間外交において市民社会の参加の欠如が、日本の規範受容のあり方にどのような問題点を生み出しているのかについての研究成果を発表した。これは、チューリッヒで開催された国際会議において、Kaoru Kurusu, "Deviation or Business as Usual? Human Security and the Transnationalization Deficit of Japan’s Multilateral Diplomacy," VSJF (German Association for Social Science Research on Japan) Conference 2022 Deviance and Norms in Times of Change in Japan, University of Zurich, Nov. 18-20として発表された。 2022年度は、これまでの研究成果の一部を、国連で採択された二つの国際規範である人間の安全保障と持続可能な開発目標(SDGs)に関連した学会活動、ならびにアウト―リーチ活動へと反映させた。具体的には、2022年11月5日には、Japan Association of Human Security Studies 年次研究大会において、"Shifting Perception of Human Security: Business/Climate Change Focus"のセッションでディスカッサントを務めた。また持続可能な開発目標(SDGs)と人間の安全保障に関する基調講演を、日経ESGフォーラムで行った(12月7日)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度末にはコロナ感染症拡大がある程度落ち着きがみられ、海外渡航をはじめ研究における様々な制約が徐々に撤廃されるようになった。とはいえ、VSJF (German Association for Social Science Research on Japan) Conference 2022には、当初対面での参加予定であったが、引き続きオンラインでの参加となった。そのため、海外調査ならびに学会での成果報告のため計上していた海外旅費を使用せず翌年度にまわすこととなった。 2021年の共著論文では、国連の掲げる価値について主要国がどの程度支持しているのかについて、国連の目的や原則となっている平和と安全、人権、貧困からの脱却といった価値についての認識を、国連総会の一般討論演説のデータを用いることにより、政府代表(首脳レベル)の発言をテキスト分析し明らかにした。しかし、同研究が用いている資料は、主要国政府のトップによる国連総会演説(一般討論)のテキストデータであり、この資料から導出できる結論には限界がある。そのため、より広範に資料・データを追加する可能性について検討している。同手法をさらに精査し拡大する必要があり、共同研究者とともに研究を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに述べたように、国連総会の一般討論演説のデータを用いることにより、政府代表(首脳レベル)の発言をテキスト分析し明らかにしたことには一定の意義があったと考えるが、データの範囲による制約がある。そのため、観察対象を国連総会以外のフォーラム、すなわち安全保障理事会、経済社会理事会、人権理事会などに拡大し、より多くの資料・データを入手して、定量的な内容分析を行っていく予定である。 研究成果については、周源とともに英文で雑誌に公刊していくことを計画している。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の広まりにともない、海外渡航は必ずしも容易ではなかった。そのため、スイスで開催された国際会議にはオンラインで参加することになり、海外渡航費用を翌年度にまわすことになった。また、国連総会ならびに国連のその他のフォーラム(安保理など)のデータ収集や、テキスト分析を引き続き2023年度に実施する必要があるため、使用計画の変更となった。
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Research Products
(1 results)