2022 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of Institutional Base Formation Process in African Emerging Oil-producing Countries
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19K01529
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
吉田 敦 東洋大学, 経済学部, 教授 (20559835)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アフリカ / 資源開発 / 石油・天然ガス / 北アフリカ / 紛争 / 新興産油国 / 資源の呪い |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度(2022年)では、日本国際経済学会(2022年6月4日、於:弘前大学)において妹尾裕彦(千葉大学)の「誰がサブサハラ・アフリカを養っているのか?」の討論者として参加した。また、明治大学における商学研究科第18回学術セミナー(2022年10月29日)において、「アフリカはなぜ発展しないのか?」をテーマに講演をおこなった。同講演を通じて、石油・天然ガスおよび鉱物資源産出国の収益再分配の問題と紛争・政治的不安定性との関連を論じたほか、近年の中国によるアフリカ投融資が与えている経済的影響について指摘することができた。これらの研究および発表を通じて2023年度からの新たな基盤研究(C)の採択に至っている。 研究期間全体を通じては、以下の内容の研究を進めることができた。2019年度では在外研究期間(カリフォルニア大学アーヴァイン校)での研究期間中に、複数のアフリカ研究者(Englebert, P., Zoellner, T.等)と議論を重ねることができた。その研究成果としてアフリカにおける資源開発(石油・天然ガス、鉱物資源)と紛争の理論および実証分析した単著(『アフリカ経済の真実ー資源開発と紛争の論理』2020年7月、ちくま新書)を公刊するにいたった。翌年には本研究課題と関係の深い吉田敦「アフリカにおける産油国および新興産油国経済の現状分析と理論的検討」千葉商大論叢(第59巻第2号)を発表した。同論考では、アフリカにおける近年の経済成長と直接投資の動向を概観しながら、アフリカ各地域で活発化している資源開発(石油・天然ガス)の具体的状況について検討した。そのほか、経済援助やサヘル情勢についての小論(対マダガスカル、対モーリタニア援助『日本の国際協力 中東・アフリカ編』所収、「マリからの仏軍撤退 拡張型対テロ作戦の限界」『外交』)を発表した。
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