2022 Fiscal Year Annual Research Report
民主党政権期に培われたフーバー政権元国務次官キャッスルの対日人脈の研究
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19K01531
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
廣部 泉 明治大学, 政治経済学部, 専任教授 (80272475)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 日米関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、2019年度のアメリカにおける資料調査で入手したウィリアム・キャッスル元国務次官関係の資料をはじめとしたアメリカ側の資料の分析を継続した。また、コロナ禍において海外資料調査が出来なかった期間にフーバー大統領図書館の司書のご厚意で複写・郵送していただいたフーバー政権関係者の資料も合わせて検討した。 そのような中、ついに本年度、アメリカ側の図書館が開き、夏に資料調査を3年ぶりに実施することが出来た。キャッスル日記は膨大であり、2019年の資料調査ではまさかそれ以降3年間資料調査が出来なくなるとは思いもしなかったため、集められた資料が十分ではなかったが、ようやく本年度の調査によってそれまでの分析で欠けていることが判明した資料を補うことが出来た。秋以降は、国立国会図書館憲政資料室所蔵の野村吉三郎関係文書や樺山愛輔関係文書の分析や外交史料館所蔵の須磨弥吉郎関係文書の分析を合わせて行い、駐米日本大使館の人脈形成について検討した。 それによってキャッスルが下野して以降も、駐米日本大使館は、居心地の良いキャッスルとの関係に依存するあまり、政権担当政党である民主党政権関係者と十分な関係構築が出来なかった実態が明らかとなってきた。このことは1941年の日米交渉において致命的となったが、戦前にキャッスルが関係もった日本人に対する彼の好印象は戦中も変わることなく、戦後すぐ、それらの日本人をキャッスルをはじめとする保守派が支持することで、日米関係の急速な改善に大きな役割を果たしたことが明らかとなった。
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[Book] 野生の教養2022
Author(s)
岩野 卓司、丸川 哲史、廣部泉、ほか25名
Total Pages
378
Publisher
法政大学出版局
ISBN
978-4-588-13033-5