• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2020 Fiscal Year Research-status Report

Theory and applications of Knightian uncertainty: making further advances

Research Project

Project/Area Number 19K01550
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

尾崎 裕之  慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (90281956)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywordsナイトの不確実性 / 曖昧さ / リスク / 意思決定論 / 非期待効用理論
Outline of Annual Research Achievements

申請者は、2017年の暮れにSpringer社より「Economics of Pessimism and Optimism: Theory of Knightian Uncertainty and Its Applications(以下、EPOと略記)」なる研究書(GRIPS特別教授:西村清彦氏との共著)を上梓した。当該書は、前世紀の末頃より急速に発展を遂げた、従来型の確率で表現可能ないわゆる「リスク」と呼ばれる不確実性よりも遥かに根源的な不確実性であるナイトの不確実性と呼ばれる概念を用いた新しい経済分析を目指したものである。前半では、概念の説明、リスクとの違い、既にナイトの不確実性に関して分かってきていることをこの分野の研究を始めようとする初学者にも分かる形で紹介し、後半では、筆者(西村氏と尾崎)自身によるこの分野の公刊論文を中心に、その後の展開や研究成果を最新のものまでを含む形で示したものである。
この分野での研究成果が随分と蓄積されてきたとは言え、経済学全体で見ると非常に新しい分野であることから、EPOではまだ研究途上であったもの、あるいは、全く手を付ける事が出来ていなかったことが多く残っている。本課題では、その中でも重要と思われることについて研究を継続し、この分野の知見にさらに貢献を追加していくことを目標としている。
現時点では、ナイトの不確実性下における公共財の供給問題に関する論文を昨年に公刊し、その他、EPOで考察したサーチモデル(職探しモデル)の一般化、EPOで提案したある行動原理を公理で基礎付ける試み、EPOで詳細に分析したε汚染と呼ばれるナイトの不確実の特殊ケースについて、応用しやすい定式化を開発し、実際にそれをジョブサーチに応用するといった3本の論文が進行中である(全て共同論文)。いずれも最終段階に至っており、近々、メジャーな専門誌に投稿予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

上段【研究実績の概要】で述べたように、本研究の主眼である理論研究の側面においては、共著者とのメール等々での連絡を密にすることにより、順調に進展しており、繰り返しになるが、4本の論文がほぼ完成に近づいているため(内一本は既に公刊済み)おおむね順調との判断を下しても良いものと思う。
昨年度より引き続いてのコロナ禍の状況にあって、学会等での対面での報告の機会が完全に奪われており、研究にとって重要なフィードバックを得る機会が非常に乏しい。オンラインの研究交流が無意味と言うつもりは毛頭ないが、申請者の経験からも、対面での研究交流の効果には比較すべくもない。これは確かに研究遂行上の障碍であることは論を待たないだろう。
しかしながら、本研究が理論研究を中心としたものであることが幸いし、少人数の共著者(1名、ないし、2名)との連絡においては特段の不都合がないばかりか、「自分自身で考える」という研究者の基本姿勢にとっては、むしろ、そのような状況がプラスに働く面も事実上存在する。このことも考慮して、「(2)おおむね順調」と判断した。

Strategy for Future Research Activity

進行中の3本の論文をメジャーな専門誌に投稿、掲載することを最優先に取り組む。また、萌芽的なアイデアもその過程で多く出てきている。これらのアイデアについては、なるべく早く学会等で報告可能な水準にもって行き、コロナ禍の成り行き次第では、学会等で論文執筆のなるべく早い段階で対面型の報告を行い、フィードバックを得て、論文の改善に生かしていきたい。

Causes of Carryover

当初、研究成果の公開等を目的とした学会報告や研究打ち合わせのための旅費・謝金等の支出を計画していたが、コロナの影響によりこれらを一切取りやめた。そのため生じた支出計画の変更である。
コロナの影響の増減次第であるが、この分は今年度(2021年度)の支出変更で対処する方針である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2020 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Public goods game with ambiguous threshold2020

    • Author(s)
      Kishishita Daiki、Ozaki Hiroyuki
    • Journal Title

      Economics Letters

      Volume: 191 Pages: -

    • DOI

      10.1016/j.econlet.2020.109165

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Remarks] Hiroyuki Ozaki

    • URL

      http://web.econ.keio.ac.jp/staff/ozaki/

URL: 

Published: 2021-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi