2019 Fiscal Year Research-status Report
排除可能な公共財の供給問題に関するメカニズムデザインの研究
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19K01553
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
橋本 和彦 大阪経済大学, 経済学部, 講師 (30649182)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 耐戦略性 / 排除可能な公共財 / 効率性 / メカニズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、排除可能な公共財の供給問題に関する研究である。現実社会には、原理的には排除可能であっても、何らかの理由から、利用者を排除しないことがある。その理由を、メカニズムデザインの手法を用いて明らかにすることが、本研究の目的である。 本研究の特色は、分析範囲を従来考えられてきた非確率メカニズムだけではなく、確率メカニズムまで広げる点にある。これにより、設計の自由度が増し、新しいメカニズムが設計可能となることにより、これまでとは全く異なる答えが導き出される可能性がある。また、国ごとに排除・非排除に違いが見られるが、排除・非排除を分ける社会目標の違いも探っていく。その際、排除・非排除の合理性を決定づける社会目標の必要十分条件を探るアプローチをとる点も本研究の特色である。 本年度は、排除可能公共財の供給メカニズムとして、耐戦略性を満たす2つの新しい確率的メカニズムを設計し、分析した。1つ目のメカニズムは、非排除系のメカニズムで、次善効率性を満たし、さらに、最大厚生損失で測った性能も良いと分かったが、参加者数の増加とともに、その性能も従来のメカニズムと比較して、差がなくなっていくことが分かった。そこで、2つ目のメカニズムとして、1つ目のメカニズムと従来のメカニズムの合成メカニズムを生成、分析したところ、これまでのどのメカニズムよりも、最大厚生損失で測った性能が良いことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
耐戦略性を満たす新しいメカニズムを2つも設計することができ、その性能分析も進み、結果を得ることができた。また、セミナー報告を通して、ポジティブな評価があり、計画した以上の成果を上げることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、新しいメカニズムの設計・分析・評価を中心に研究していく予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)投稿論文の英文校正費用が当初見込みより少なくすんだため。 (使用計画)現在執筆中・投稿準備中の論文の英文校正費用として用いる。
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Research Products
(1 results)