2021 Fiscal Year Research-status Report
Theoretical study of governance of transaction within platform extending the research of social games
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19K01562
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
野口 雄一 関東学院大学, 経済学部, 准教授 (60323903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中泉 拓也 関東学院大学, 経済学部, 教授 (00350546)
藤原 正寛 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 名誉教授 (40114988)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | VSRPD / 不完全観測繰り返しゲーム / 企業特殊訓練 / 企業普遍的訓練 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、野口が、不完全観測の繰り返しゲームについて考察するとともに、奥野がGreve Nshimura Okuno Suzuki[2022]として、東京で行ったVSRPDの実験に関して、研究成果をまとめた。また奥野、中泉はその実験結果をパキスタンでの実験と比較する作業を行った。特にパキスタンでは協力率は落ちるものの、基本的な状況は東京での研究成果に準じることが明らかになった。 次に、中泉は、昨年度に引き続き、不完備契約の状況で企業特殊的もしくは企業普遍的な技能を企業が労働者に提供する状況において、企業普遍的な訓練が普及する条件について考察した。 ベッカー[1964]が指摘しているように、労働者に流動性制約がある場合、企業や雇用主は従業員に企業特殊的な技能を提供する強いインセンティブを有する。すなわち、企業にとっては、完全競争市場においては、労働者の交渉力を下げ、賃金を低めることができる企業特殊的訓練を提供することが支配戦略になる。そのため、これまでの先行研究は市場のfrictionが存在する場合に限定して研究を行ってきた。Nakaizumi[2022]では、完全競争市場でも実現する条件を考察するものである。 しかしながら、仮にすべての企業が企業普遍的訓練を行う場合、企業特殊訓練を選択する場合と同じだけの利益を企業側が得られる。この点について初めて指摘した。そのため、一定のコーディネーション機能等が存在する場合、企業普遍的訓練が普及する可能性がある。Nakaizumi[2022]ではスタートアップ企業の市場においてその可能性を考察した。この場合、雇用者でさえ従業員になる可能性があるため、従業員だけでなく雇用主も一般的なトレーニングを受けたほうがよい。Nakaizumi[2022]ではこの条件を導出し、韓国応用経済学会の年次大会で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で予定していた実験ができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度はGreve Nshimura Okuno Suzuki[2022]において、東京で行ったVSRPDの実験の研究成果をまとめ、その実験結果をパキスタンでの実験と比較する作業を行った。特にパキスタンでは協力率は落ちるものの、基本的な状況は東京での研究成果に準じることが明らかになった。今後は両者の相違について分析し、どのような要因によるものかを考察すると同時に、国際比較を拡充するため、バンコクでも経済実験を行っていくこととする。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、2020年度に予定していた出張などがオンラインとなり、経済実験も十分できていないため。2022年度、2023年度で実験を行うことで予算を執行する予定である。
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Research Products
(2 results)