2020 Fiscal Year Research-status Report
資産分布および所得分布に対するインフレーションの動学的効果
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19K01564
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
後閑 洋一 立命館大学, 経済学部, 教授 (30324502)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | インフレーション / 資産格差 / 所得格差 / 成長モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はワシントン大学のStephen J. Turnovsky教授との共著論文である「Wealth and Income Inequality in a Growing Monetary Economy」を完成させ、レフリー制のジャーナルへ投稿することが出来た。現在コロナ禍ということで共同研究の打ち合わせのためにシアトルのワシントン大学へ直接行くことはできなかった。しかしながらメールなどで連絡を頻繁に取り合い研究を進めた。 2人で相談した結果、上記の論文における理論的な結論の妥当性をデータで検証した部分を削除し、理論分析をメインとするレフリー制の学術誌に投稿し、現在結果を待っている。 また、Turnovsky教授との2つ目の共同研究である「Monetarization, Government debt and inequality of wealth and income in a growing economy」について私の役割分担である理論的な計算、シミュレーションおよびその文章化の作業を行った。それをTurnovsky教授にメールで送付し、彼に手直しを行ってもらった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍にありTurnovsky教授が在籍するワシントン大学へ訪問し共同研究の打ち合わせを直接行うことが出来なかったが、メールで頻繁にやり取りをしモデルの設定などで入念な打ち合わせを行った。ゆえに計画的に共同研究における自分の担当部分を効率的に遂行することが出来た。 また、理論的な分析の手法を身につけるために多くのTurnovsky教授の論文を大学院生のときから読み続けているので、研究の関心およびそのスタイルが私と極めて似通っていることも効率的に共同研究を進めることができた理由の一つとしてあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
Turnovsky教授との2つ目の共同研究である「Monetarization, Government debt and inequality of wealth and income in a growing economy」について、所得を生産要素から得られた所得と定義していたが、国債からの利子所得も含めるべきではという議論になった。 その議論を踏まえて所得の再定式化を行い、シミュレーションをやり直すことが決まった。この所得の定式化の変更後、結論がどのように修正されるかを考察し文章化を行い研究会などで発表を行いたい。最終的には上位ランクのレフリー制の学術誌に投稿したいと考えている。
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Causes of Carryover |
科研費の大部分はTurnovsky教授の大学のワシントン大学へ訪問するための旅費として使用する予定だったが、コロナ禍で行くことが出来なかったので、大幅に次年度使用額が生じてしまった。コロナが収まればワシントン大学への訪問や国際学会での発表も可能となるため次年度以降使用することが出来ればと考えている。
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