2021 Fiscal Year Research-status Report
Coordination and Freeriding Problem in Donations
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19K01565
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| Research Institution | Ritsumeikan University |
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Principal Investigator |
竹内 あい 立命館大学, 経済学部, 准教授 (10453979)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 絵里香 大阪大学, 経済学研究科, 招へい教授 (40611695)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 経済実験 / ゲーム理論 / 公共財供給ゲーム / 寄付行動 / 協調問題 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、これまで行った研究の成果を昨年度から延期になっていたゲーム理論の国際会議であるGAMES2022 にて報告し、コメントなどを得ることが出来た。
また昨年度学んだオンライン実験の手法を用いて、貢献からの限界便益が高い場合と低い場合に情報提供の有無が貢献度の増加や効率性の改善に及ぼす効果を検証する実験を大学学部生を対象に行った。その結果、オンラインで行った実験においても以前に実験室で行った実験と同様の結果を得られた。これは、情報提供の効果に関する以前得られていた結果が頑健であることを示唆する。また、限界便益の増加は確かに貢献度の増加をもたらすが、この効果は情報提供の有無関係なく観察され、情報提供の効果については限界便益が低い場合と同等の結果となった。
なお、この実験においては情報提供の効果が出ない原因について検証するために他者の選択結果の予測についても調べた。その結果、実験参加者は他の人が多く貢献すると予測している場合より貢献しやすいという条件付き協力と整合的な行動を取っていた。なお、上記の行動は、人々が自身の貢献が無駄になってしまうことを恐れている場合にも生じ得る。一方で、他者の貢献の予測に基づくと無駄になってしまう貢献も行っているなど、無駄を恐れるという行動原理とは整合的ではない行動も一部観察された。
以上の学会でのコメントや新しい実験による知見などを踏まえ、論文を全般的に書き直した。修正後、国際的な査読付き雑誌に再投稿した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度記載したとおりコロナ禍で対面実験が出来なくなり新しい手法を身に着ける必要があったため、その分の遅れをまだ取り戻せていないため、遅れている。
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| Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」でも述べた通り、現在、新しい実験の結果も含め改訂した論文を国際査読付き雑誌に投稿している。今後は同時並行で次の研究を行っていく。先行研究の知見から、ただ乗り問題のみが内在する通常の公共財供給ゲームに何らかの個人間の異質性が存在する実験においては、それが無い場合と比較し、貢献額が減少することが多いことが示唆された。今の実験における意思決定環境をそのまま用いて異質性を導入しても情報提供の効果を上手く特定できない可能性がある。そのため、まず異質性がない状態でより高い貢献度を期待できる意思決定環境の設計を用いた実験計画を検討していく。
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| Causes of Carryover |
参加を予定していた国際学会の多くがオンラインで実施されている、あるいは対面で実施されていても日本からは入国制限などにより参加がしにくい状態であるため、出張費などが次年度使用として生じている。しかし、依然として気軽に国際学会に対面で参加できるような状態ではないため、これらの未使用となった出張費は発展的実験の実施のための謝金にあてたい。
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Research Products
(1 results)
