2024 Fiscal Year Annual Research Report
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19K01572
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| Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
沖 公祐 香川大学, 経済学部, 教授 (60361581)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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| Keywords | マルクス経済学 / 批判的実在論 / 経済学方法論 |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、批判的実在論の理論的枠組みのマルクス経済学への適用可能性を探求することを目的として進められた。批判的実在論は、社会科学の分析において、現象の背後にある構造やメカニズムを明らかにするための強力な理論的ツールとなり得る。特に、マルクス経済学が経済構造の変動や社会関係の再生産を説明する上で果たす役割を再評価し、より精密な理論枠組みを構築することを目指してきた。 2020年度には、「批判的実在論とその社会科学への適用」と題した研究を発表し、社会科学における批判的実在論の有効性を考察した。本研究では、社会現象を分析する際の方法論的課題に焦点を当て、批判的実在論がいかに社会科学に適用できるかを検討した。2022年度には、「『論争』の理論的地平――再生産論批判の観点から」を発表し、日本資本主義論争を批判的実在論の視点から整理し、再生産論の理論的限界について論じた。この研究により、日本資本主義論争における理論的対立をより体系的に把握し、新たな解釈枠組みを提示することができた。 研究の進捗については、新型コロナウイルス感染症の影響によって、一部制約を受けた。特に、国内外での対面による研究交流や資料収集の機会が限られたことで、研究の展開に遅れが生じた。しかし、そのような状況下でも、オンラインを活用した議論や文献調査を進めることで、研究の基盤を固めることができた。最終年度である2024年度には、これまでの研究を総括する論文の発表を予定していたが、校務の多忙さにより執筆が間に合わず、発表には至らなかった。しかし、文献収集や研究の準備はすでに完了しており、今後速やかに成果を公表する計画である。
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