• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

市場均衡理論の成立に関する科学史的研究

Research Project

Project/Area Number 19K01575
Research InstitutionUniversity of Hyogo

Principal Investigator

松山 直樹  兵庫県立大学, 国際商経学部, 准教授 (80583161)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2025-03-31
Keywords経済学の科学化
Outline of Annual Research Achievements

◎当該年度において、主な研究成果は学会報告1件であった。経済学史学会第87回大会(開催校:専修大学)の学会特別企画「ディヴィッド・リカードウと経済学史の誕生-リカードウ没後200周年記念」において、報告「マーシャルにおける経済学の科学化とリカードウ」をおこなった。
◎学会報告では、マーシャル夫妻の『産業経済学』(1879年)においてEconomicsという呼称が定着したことを受けて、特に1879年前後におけるマーシャルの経済学研究に対するリカードウの影響の有無を精査した。その結果、1879年以前のマーシャルの経済学(Political Economy)にリカードウの影響を確認できないことを、さらに1879年以降、特に1884年にマーシャルがケンブリッジ大学に帰還して以降、彼の経済学(Economics)は、その経済学方法論の展開においてリカードウの影響が明確に確認されうることを提示した。
◎当該年度に対する研究計画との関連では、労働市場に対する科学的接近法をめぐって、J.S.ミルの経済学体系の普及に実質的に貢献したミリセント・フォーセットの賃金論を対象とする議論を展開した。具体的には、彼女は賃金基金説を基礎にしつつも、第一次世界大戦中の労働市場の構造変化に伴い、同一労働同一賃金を提唱していたことを示した。
◎本研究プロジェクトの趣旨に関連して、経済社会現象の量的分析を確立したウィリアム・ペティの生誕400周年記念企画を立案・実施した。経済学の父、統計学の父と称されるペティの学術的遺産を振り返る企画を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当該年度の研究計画では、イギリスにおける市場均衡理論の形成について展開した一連の研究成果をまとめたかたちで学会報告することを課題に位置付けていた。
当初の研究計画は、研究課題に関する海外の大学図書館等における資料収集を基礎にして追究示するものであった。ところが、2019年以降の新型コロナウィルス感染症の蔓延によって、基礎的な資料を収集すべき段階のほぼすべての期間を通じて、予定していた海外の大学図書館での資料調査を実施することが叶わなかった。それゆえ、研究計画の焦点と方法を定め直し、既存の文献やオンライン資料を用いるかたちで研究を展開しており、今年度も経済学史学会において議論を展開した。
当該年度に本研究プロジェクトを延長する計画を申請したため、2024年度は、当初の研究計画に示された一連の研究成果を踏まえて学会報告を行うことを目指す。そして、これまでと同様にアクセス可能な一次文献や二次文献に基づいて調査研究をおこなうが、議論の方向性に多少の変更をくわえて、市場均衡理論とその実践的側面を追究したケンブリッジ学派経済学に対する再評価をおこなうかたちで、研究成果を広く社会に還元する。最終的にはその議論を論文化して学術雑誌への掲載を目指す。

Strategy for Future Research Activity

2024年度はこれまでの研究成果を踏まえつつ、現在において利用可能な文献や資料の分析を通じて研究をまとめて、経済学史学会において共同研究報告の機会を模索する。具体的には、ケンブリッジ学派研究を展開する研究者と連携するかたちで、マーシャル経済学の理論と実践を多角的に検討することで、本研究プロジェクトを総括することを目指す。

Causes of Carryover

2023年度においても海外での研究報告や資料調査等を実施する見通しが立たなかったために、次年度使用額が生じた。これまで新型コロナウィルス感染症の蔓延のため、本研究プロジェクトの計画において最も基礎的な作業となる海外での文献や資料の調査研究が実施することが叶わなかった。したがって、国内で入手可能な文献研究に限定したかたちで研究を展開しながら、諸外国の図書館に所蔵される文献や一次資料についてリストを作成した。次年度にはそのリストに基づくかたちでの海外での文献研究並びに一次資料の調査研究をする機会を模索する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2024 2023

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] ウィリアム・ペティ生誕400周年記念企画 特別講演会「ウィリアム・ペティと経済科学の曙」2024

    • Author(s)
      松山直樹、大倉正雄
    • Journal Title

      商大論集(兵庫県立大学)

      Volume: 75 Pages: 57-73

    • Open Access
  • [Presentation] マーシャルにおける経済学の進歩とリカードウ2023

    • Author(s)
      松山直樹
    • Organizer
      経済学史学会

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi