2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K01591
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
六井 淳 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (70362910)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | LSTM / 社会的時系列 / グレンジャー因果検定 / GRU / LSTNet / RNN / 重回帰分析 / 敵対的生成ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
株価や失業率などの社会的時系列データは様々な起因子によって変動しているため、過去の自己系列から未来を予測することは極めて困難な課題である。本研究では次に示す3つの目標を掲げ研究に取り組んでいる。① 複数時系列入力を並列に駆動させるLSTM機構の構築、② ①から得られる複数予測出力を1系列に統合する機構の構築、③ 時系列情報からの起因子分析 ①と②についての成果をまとめ、従来のLSTMだけでなく、GRUも含めた複合的枠組みについて提案を行った[1].提案する複合時系列予測手法は組み合わせる学習器に関わらず、優れた予測精度が得られることを提案している。また、②を深化させ、グレンジャー因果検定を組み合わせることで、効果的な予測系列を導く手法を提案した[2]。重回帰分析による多重共線性の問題を回避でき、高い予測性能を達成している。更に、③として、複数の時系列を並列に組み合わせ、個々の系列に荷重を与えることで起因子を特定する手法を提案した[3]。回帰分析を用いず、起因子の関係性を利用する新しい試みである。今後は、起因子の特定だけでなく、学習器の高速化と性能向上にも取り組んでいく予定である。 【研究成果】 [1] Jun Rokui, “Historical time series prediction framework based on recurrent neural network using multivariate time series”, IIAI-AAI2021, pp.486-489, 2021. [2] 松浦 匠吾、六井 淳、”Recurrent Neural Network に基づく複数時系列関係を考慮した時系列予測”、FIT2021講演論文集、第二分冊、pp27-32、2021. [3] 佐野 隼乙、六井 淳、“LSTNet に基づく多変量時系列予測精度改善法”、電子情報通信学会技術報告書、PRMU2021-37(2021-12)、pp.71-76、2021.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目標は主に3つに大別できる。 ① 複数時系列入力を並列に駆動させるLSTM機構の構築、 ② ①から得られる複数予測出力を1系列に統合する機構の構築 ③ 時系列情報からの起因子分析 ①、②、③についてまんべんなく、提案手法の有効性が実験的に確認されており、実時間処理での精密な未来予測が既に可能となっている。当初の計画通りに研究は進んでいる。ただし、適用している学習器が必ずしも提案するフレームワークに適しているとは限らず、このことが性能低下の主原因と考えられる。複数の時系列の関係性を並列に駆動させるために適したLSTMの開発が必要である。新たなLSTMを構築し、これを利用した②、③の検証が必要と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、複数時系列入力を並列に駆動させるのに適した新たなLSTMの構築を行っている。フレームワーク自体は完成しており、様々な学習器に適用可能な状況だが、より最適な学習器を構築する。更に、逆問題解法についても、従来の解析的なアプローチではなく。敵対的生成ネットワークを利用した近似時系列の生成を検討し、真の起因子に似た系列を生成することで予測精度の向上に繋げていきたい。
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