2020 Fiscal Year Research-status Report
Theory and Policy of Intermediate Input Trade
Project/Area Number |
19K01599
|
Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
荒 知宏 福島大学, 経済経営学類, 准教授 (80648345)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 中間財の貿易利益 / 中間財の貿易政策 / 部分的資本提携 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の研究実績として、以下の3つを挙げることができる。 まず、2019年度に経済産業研究所 (RIETI) のディスカッションペーパーとして公開した張紅詠氏との共著論文 "The Margins of Intermediate Goods Trade: Theory and Evidence"が査読付きの学術誌 The International Economyに掲載された。 次に、本科研プロジェクトの計画の1番目のテーマ(中間財貿易の重力モデルと厚生分析)から派生した私の個人研究 "Competition, Productivity, and Trade, Reconsidered"をRIETIのディスカッションペーパーとして公開した。また、2番目のテーマ(中間財貿易の企業共動効果と最適関税)について、Arpita Chatterjee氏, Arghya Ghosh氏, 張紅詠氏との共同研究 "Intermediate input tariffs, oligopoly, and free entry: theory and evidence" として作成した。これらの研究成果は、既に査読付の学術誌に投稿済みか、または改訂を経て近いうちに投稿される予定である。 最後に、3番目のテーマ(無形財の中間財貿易と部分的資本提携)について、Arghya Ghosh氏, 森田穂高氏と連携をとって共同研究に着手した。また、1番目のテーマから更に派生した中間財や最終財の集積・貿易パターンに関する個人研究にも着手した。2021年度中にはそれらの研究成果を国内外のセミナーや学会で報告し、学術論文の形にまとめる予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず、既に挙がっている研究成果については、既に国内外の学会・セミナーで何度か研究報告を行っただけでなく、査読付の学術誌に投稿をしてレフェリーから有益なコメントを受けているため、論文を改訂するポイントは明確になっている。個人研究にせよ、共同研究にせよ、これらの改訂点を検討して可能な限りレフェリーからのコメントを反映させた上で、2021年度中には再度査読付の学術誌に投稿し、エディターやレフェリーの評価を得ることは十分に可能であると思われる。 また、新規に開始した研究についても、論文のベースとなるアイディアは出てきており、現在はそれを学術論文の形にまとめる作業を行なっている。現時点では非常に特殊な状況下での分析を考察し、今後はそこから得られた知見をより一般的な状況下に拡張することを考察する必要があり、またその背後にある経済学的メカニズムを明らかにする必要もある。1人で推進できる個人研究と異なり、打合せが必要な共同研究は新型コロナの影響で多少の遅れが出てきているのは事実であるが、オンラインで連絡を取り合うことで補っていく。個人研究にせよ、共同研究にせよ、これら新規研究の成果は2021年度中にディスカッションペーパーとして公開する予定でいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
まず、既にディスカッションペーパーとして公開している研究成果については、個人研究にせよ、共同研究にせよ、必要な改訂を済ませた後に査読付きの学術誌に投稿する。その上で、レフェリーのコメントを受けて更に論文の改訂をして、最終的には研究成果の出版へと進められるように努めていく。 次に、現在進行中の研究については、個人研究は結果の正確性を丁寧に確認した後に、学会報告などを通じて関連分野の研究者に意見を伺いつつ精度を高めていく。共同研究は、本来であれば共著者と直接打合せをして、集中的にプロジェクトを推進していく予定であったが、現在の新型コロナの影響を受けてオンラインを通じての打合せを軸に推進せざるを得ない。現時点では、各自で可能な限り研究を進めて、その結果をメールだけでなく、必要に応じてウェブ会議のツールを活用してお互いの結果を確認しながら作業を進めているが、将来的に現在の状況が改善したら、直接会って打合せを再開していく予定でいる。個人研究にせよ、共同研究にせよ、2021年度中にディスカッションペーパーとして公開できるようにする。 最後に、今後に研究を推進するために、セミナーや学会で積極的に研究報告をする。新型コロナ発生当初は中止が相次いでいたものの、最近はオンライン開催が実施されつつあり、研究報告の場が以前のように確保できるようになってきた。今後は、まだ十分に完成していない研究の精度を上げるためにも、こういった場を活用するようにしていく。
|
Causes of Carryover |
新型コロナの影響で、2020度に参加を予定していた学会報告が全て中止またはオンライン開催となり、学会参加に関する旅費を消化することができなかった。また、国内外の共著者との打合せも同様にオンラインで済ませることになり、共同研究の打合せに関する旅費も消化することができなかった。 今年度も同じ状況が続くかは現時点で不明であるが、今後に関しては個人で推進できる研究を着実に実施し、共著者とはオンラインを通じて密接に連絡を取り合い、状況が改善した際にスムーズに予定していた学会参加および共同研究の打合せに関する出張を実施できるように体制を整えていく。
|