2022 Fiscal Year Annual Research Report
消費者の省エネ住宅選択意思決定を誘導するエネルギーラベルの有効性
Project/Area Number |
19K01604
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
藤澤 美恵子 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (10502320)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エネルギーラベル |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、前年度に実施したエネルギーラベルを表示した広告画面の実験(広告実験)の分析とその分析結果について学会報告、並びにシンガポール国立大学と共同でシンガポールの不動産市場におけるエネルギーラベルの実施後の省エネ性能に関する市場評価を計測(不動産市場評価)するためのデータ収集をおこなった。 広告実験の研究は、学会報告のコメントを踏まえ再分析をおこなった上で、現在論文投稿準備中である。分析に関しては、ロジスティク回帰分析により、エネルギーラベルの広告表示による省エネ住宅の選択誘導の可能性を検証することができた。加えて、傾向スコアマッチング法を採用し、傾向スコアを活用したプレミアムの差を確認し、被験者の環境リテラシーの高低とエネルギーラベルの効果の関係性を明らかにしている。これらの結果は、学会発表とプロシーディングの作成を通じて、アクセスオープンとして研究成果を広く公開している。なお、前々年度実施のアイトラッキング実験の論文をディスカッションペーパーとしてWeb上に公開している。 不動産市場評価の研究は、予定していたドイツでのアイトラッキング実験や社会人を対象とした実験を、COVID-19の現状を鑑み中止とし、その代替として実施したものである。シンガポールのエネルギーラベルは、Green Markとして知られており、アジア初のエネルギー消費量を簡潔に伝えるラベルとして2005年に運用開始している。取引情報とGreen Markの取得プロジェクト名が公表されていることからパネル分析やマッチング分析などが可能となる。この分析の結果から、市場におけるGreen Mark付きの不動産の付加価値(価格の上昇分)を明らかにすることが可能である。 今後、これらの分析の結果をまとめ、研究成果を随時、国内外の学会で報告する。学会での議論やコメントを踏まえて投稿論文に仕上げ、国内外のジャーナルへの投稿を積極的におこなう予定である。
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Research Products
(7 results)