2021 Fiscal Year Research-status Report
Innovation in Construction Industry
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19K01610
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
荒井 弘毅 共立女子大学, ビジネス学部, 教授 (30362594)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 建設産業 / イノベーション / 競争政策 / 実証分析 / リーダーシップ / 多面的市場 / デジタル市場 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度においては、新型コロナ感染症拡大の影響で、学会への出席や同僚研究者との議論が進めにくかったものの、オンラインを活用して極力研究を進めるよう努力を行った。これにより、主として次の3点で研究の成果があった。第1に、建設産業におけるイノベーションに関する直接的な分析である。第2に、競争を通しての、建設産業のイノベーションの検討の必要のため、競争政策に関する調査分析である。第3に、こうした検討で得られた実証分析の手法と視点を、リーダーシップ・多面的市場・デジタル市場の分析に活用した研究である。 第1に関しては、4つの研究実績を挙げられる。①公共調達における価格と品質の関係について入札における土木工事の品質と価格に関するデータを用いて分析した。②イノベーションを3つのレベル、企業の成長会計レベル、企業の行動レベル、企業の専門家のレベルで評価した。③建設生産プロセス全般の生産性の抜本的な向上を目指す「i-Construction」構想は幾つかのの視点から議論した。④低入札価格調査基準には下限価格の特徴があることを示し、下限価格が設定された公共調達市場における企業の行動を分析した。 第2に関しては、3つの研究実績を挙げられる。①情報法と競争法の相互作用について、特にプラットフォーム・ビジネスに関する規制の観点からの整理した。②デジタルプラットフォーム規制に関して、正当性の観点から必要十分条件を検討した。③AI・ビッグデータ分析の開発・利用をめぐる論点を5つの観点から検討した。 第3に関しては、3つの研究業績が挙げられる。①リーダーシップ教育の最適化について議論した。②事業多角化の観点から分析されてきた複数のセグメントを、多面的な市場において多面的に検討した。③プラットフォームビジネスにおけるデジタル・非デジタルサービス提供に対する消費者態度の特徴を分析し規制について考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,社会科学領域の経済学における経済政策分野の産業組織論に属する研究である。中でも,理論的検討をデータに基づいて実証的に検証し,それを踏まえた戦略策定と政策提言を目指すものである。 本年度も引き続き、分析の対象となるデータについては,公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(平成12年11月27日法律127号)に基づいて公開されている国土交通省地方整備局の入札・契約情報での事業者の実際の入札,落札額等を収集・整理を行っている。 こうしたデータを整理して精力的に論文を執筆して、投稿を行ってきている。 加えて、これまでのところ、土木学会建設マネジメント委員会i-Construction小委員会に所属して、i-Constructionの普及啓発と今後の展開に関して議論を進め,情報収集・課題発掘を行っているところである。その中では、例えば、人材育成・研修についてのWGに参画して議論を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
分析の対象となるデータについては,公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(平成12年11月27日法律127号)に基づいて公開されている国土交通省地方整備局の入札・契約情報での事業者の実際の入札,落札額等を収集・整理を行うこととする。また、ここまでの整理に基づいて、データベースを作成し、公表も視野に入れてデータクレンジングを行い、公表できるデータベース策定を目指すものとする。 それとともに、引き続き、鋭意論文執筆を進め、研究成果の学術界での貢献を目指すこととしている。 また、これまでのところ、土木学会建設マネジメント委員会生産性小委員会及び新たに所属したi-Construction小委員会の場を活用し,研究成果を議論するとともに,情報収集・課題発掘を行っている。本年も引き続き、新型コロナ感染症の感染拡大など状況を踏まえつつ、オンラインでの開催における議論や、そのほかの方法を考えつつこれら小委員会のプロセスも進めることとしたおり、発表に向けて準備を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症拡大に伴い、出張・意見交換ができず、次年度使用額が生じるに至った。使用計画として、英文校正を中心に、状況を見ながら旅費等を検討する。
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