2022 Fiscal Year Research-status Report
Innovation in Construction Industry
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19K01610
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
荒井 弘毅 共立女子大学, ビジネス学部, 教授 (30362594)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 建設産業 / イノベーション / 競争政策 / 実証分析 / リーダーシップ / デジタル市場 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度においても、引き続き、新型コロナ感染症拡大の影響で、学会への出席や同僚研究者との議論が進めにくかったものの、オンライン等を活用して極力研究を進めた。これにより、主として次の3点で研究の成果があった。第1に、建設産業におけるイノベーョンに関する直接的な分析である。第2に、競争を通しての、建設産業のイノベーションの検討の必要のため、競争政策に関する調査分析である。第3に、こうした検討で得られた実証分析の手法と視点を、リーダーシップの分析に活用した研究である。 第1に関しては、建設コンサルタント業務等における1者入札についての研究実績が挙げられる。これによって、建設コンサルタント業務を行っている企業が1者入札に直面したときに取る行動を分析した。1者入札では落札率が高くなっている関係が見られる、これは2回目入札の割合と一般競争入札導入前後の状況の2つの観点から1者入札が落札率を高くすることになっている(予定価格算定がシビアであって結果的に1者しか入札者がいないという関係ではない)ことが分かった。調査・設計の特性を踏まえた対応は簡単なものではなく、不断の改善が必要となっていると考えられる。 第2に関しては、我が国のE-コマースの市場での競争法執行事例に関し、競争政策の観点から、特に米国反トラスト法執行事案の分析からの考え方を応用することができるかについて議論を行い整理した。 第3に関しては、イノベーションの実現にリーダーシップが必要であると考えられるものであり、そのリーダーシップ教育の最適化について、特に女子大で、特にコロナ禍の中でどのような取組がなされて、それがどのような効果を有しているかについて検討を行い、論文として取りまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由 本研究は,社会科学領域の経済学における経済政策分野の産業組織論に属する研究である。中でも,理論的検討をデータに基づいて実証的に検証し,それを踏まえた戦略策定と政策提言を目指すものである。 本年度も引き続き、分析の対象となるデータについては,公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(平成12年11月27日法律127号)に基づいて公開されている国土交通省地方整備局の入札・契約情報での事業者の実際の入札,落札額等を収集・整理を行っている。 こうしたデータを整理して精力的に論文を執筆して、投稿を行ってきている。 加えて、これまでのところ、土木学会建設マネジメント委員会i-Construction小委員会に所属して、i-Constructionの普及啓発と今後の展開に関して議論を進め,情報収集・課題発掘を行っているところである。その中では、例えば、人材育成・研修についてのWGに参画して議論を行い、その成果が土木学会i-Construction第2回フォローアップ報告書として公表されている。
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Strategy for Future Research Activity |
分析の対象となるデータについては,公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(平成12年11月27日法律127号)に基づいて公開されている国土交 通省地方整備局の入札・契約情報での事業者の実際の入札,落札額等を収集・整理を行うこととする。また、ここまでの整理に基づいて、データベースを作成している。 それとともに、引き続き、鋭意論文執筆を進め、研究成果の学術界での貢献を目指すこととしている。 また、これまでのところ、土木学会建設マネジメント委員会i-Construction小委員会の場を活用し,研究成果を議論するとともに,情報収集・課題発掘を行っている。本年も引き続き、新型コロナ感染症の感染拡大など状況を踏まえつつ、オンラインでの開催における議論に参画してきており、これも継続することとしている。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症拡大に伴い、出張・意見交換ができず、次年度使用額が生じるに至った。使用計画として、英文校正を中心に、状況を見ながら旅費等を検討する。
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