2020 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of Shared Ownership in Foreign Direct Investment
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19K01612
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
田中 鮎夢 中央大学, 商学部, 准教授 (20583967)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 賃金格差 / 多国籍企業 / 外資系企業 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的外利用許可を得た『賃金構造基本統計調査』(厚生労働省)『経済センサス基礎調査』(総務省)『経済センサス活動調査』(総務省)の個票データを接合したデータベースを構築し、分析を行い、外資系企業において男女賃金格差が小さいことを明らかにした。具体的には、国際的な経済活動とジェンダー賃金格差(GWG: Gender Wage Gaps)との間の潜在的な関係を、上記の日本の雇用者と被雇用者を結びつけたデータを用いて分析した。その分析結果をテレサ・グレーニー(Theresa M. Greaney)ハワイ大学准教授と検討し、以下のワーキング・ペーパーとして取りまとめた。同論文を改訂のうえ、英文査読誌に投稿し、改訂要求に応じて、再投稿した。グレーニー准教授を日本学術振興会外国人招聘研究者として日本に2020年度招聘して、共同研究を進める予定であったが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大のため、招聘は2021年度に延期となった。 Theresa M. Greaney and Ayumu Tanaka “Foreign Ownership, Exporting and Gender Wage Gaps,” University of Hawai`i at Manoa Department of Economics Working Paper Series, No. 20-25. https://www.economics.hawaii.edu/research/workingpapers/WP_20-25.pdf
また、『海外進出企業データ』(東洋経済新報社) からパネルデータを構築し、日本企業の外国直接投資の所有構造について分析を進めた。データや分析方法について伊藤匡・学習院大学教授、マイケル・ライアン(Michael Ryan)西ミシガン大学教授と討議を重ねた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分析結果をまとめたワーキング・ペーパーを公刊できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
『賃金構造基本統計調査』(厚生労働省)『経済センサス基礎調査』(総務省)『経済センサス活動調査』(総務省)『海外進出企業データ』(東洋経済新報社) のほか、『企業活動基本調査』(経済産業省)、『海外事業活動基本調査』(経済産業省)の個票データも分析に用いて、実証分析を進めたい。『企業財務データバンク』(日本政策投資銀行/日本経済研究所、1960―)や『就職四季報』(東洋経済新報社)も分析に用いる。政府統計個票データの接合には、H27(2015)以降に運用を開始した「共通事業所・企業コード」を用いる。
これらのデータを用いて、外資系企業の賃金プレミアムや女性雇用の実態解明にテレサ・グレーニー・ハワイ大学准教授と引き続き取り組む。加えて、外国直接投資の所有権の構造については、伊藤匡・学習院大学教授、マイケル・ライアン(Michael Ryan)西ミシガン大学教授と研究を進める。金融制約が外国直接投資の所有権の構造とどのように関連するのかについて理論・実証両面で検討を深めたい。2021年度中にワーキング・ペーパーを公刊できるよう努力する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、予定していた国内外の出張ができなかったため、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(2 results)