2022 Fiscal Year Annual Research Report
新興国における都市・産業集積の役割:生産性,マークアップと参入退出
Project/Area Number |
19K01628
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
陳 光輝 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (00188509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋口 善浩 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 開発研究センター 経済モデル研究グループ, 研究員 (40432554)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 集積 / 生産性 / マークアップ率 / 淘汰 / 夜間光 |
Outline of Annual Research Achievements |
開発経済学や地域経済学の分野で都市・産業集積はしばしば産業・企業育成の役割を期待されてきた。情報・知識が手に入る,さまざまなサプライヤーや労働力が利用可能になるなど,よく知られてきた集積の経済効果が企業の新規参入を容易にし,あるいは生産性を引き上げて,企業・産業を育成する役割である。しかし他方で,集積地の高生産性が自己選択や競争淘汰の結果である可能性も指摘されてきた。集積地は高生産性企業が立地選択し,あるいは市場競争が激しく低生産性企業が厳しく淘汰されるという指摘である。集積が産業・企業育成に果たす役割をどう評価するべきか。この問題を考えるため,本研究は中国とインドネシアの製造業企業・事業所ミクロデータと夜間光データを利用し,集積地企業と非集積地企業の規模,操業年数,生産性やマークアップ率を比較・分析した。具体的には中国約2800,インドネシア約400の県・市レベル地域を同一産業(中国159分類,インドネシア128分類)の面積当たり企業数と面積当たり夜間光レベルによって産業および都市の集積地,非集積地に区分し,産業,都市のそれぞれについて集積地企業と非集積地企業のデータ年,産業,所有形態などをマッチさせたデータセットを作成して,企業規模,操業年数,生産性やマークアップ率について,分布の違いの拡張一般化ガンマ分布を使った比較分析と集積の「平均処置効果」の推定を行った。一部はまだ整理中であるが,産業,都市,いずれについても集積地は操業年数の短い企業が淘汰されやすく,その傾向は中国の方が強いなどの結果が得られている。
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Research Products
(1 results)