2019 Fiscal Year Research-status Report
合法外国人単純労働者の導入後における、質を確保できる望ましい移民政策の探究
Project/Area Number |
19K01637
|
Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
近藤 健児 中京大学, 経済学部, 教授 (70267897)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 特定技能 / 移民政策 / 不法滞在者 / 不法入国者 / 合法単純外国人労働者 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究論文"Restriction Policies to lower quality foreign workers: in case of co-existing legal immigration and two types of illegal immigration"を執筆し、2019年8月の第59回ヨーロッパ地域学会(リヨン、フランス)と、2019年9月の第10回国際貿易、要素移動、開発のグローバル連関に関する学会(バーリ、イタリア)で報告した。この研究は本研究課題を進めるうえでの様々な理論経済学的なアプローチの可能性を探る第一歩となるものである。現時点で、外国人労働者の平均的な質の向上を図ろうとするならば、むしろ不法入国者の流入を緩和する政策が有効である可能性があることを理論的に明らかにしており、極めて逆説的でユニークな結論となっている 併せて関連するトピックスを扱う研究論文、"Tourism, Capital/Labor Inflow, and Regional Development"をYuichi Furukawa およびShigemi Yabuuchiと共同執筆し、海外の査読付き英文学術誌International Advances in Economic Researchに掲載された(Vol. 25 (2), pp.221-233)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題に関する最初の研究論文"Restriction Policies to lower quality foreign workers: in case of co-existing legal immigration and two types of illegal immigration"を執筆し、第59回ヨーロッパ地域学会(リヨン、フランス)と第10回国際貿易、要素移動、開発のグローバル連関に関する学会(バーリ、イタリア)で報告した。その際討論者およびフロアから多くの建設的コメントを得ることができ、現在は改訂作業も順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
リヨンおよびバーリで報告した論文には、現実経済のバックグラウンドに関する調査、先行研究のフォロー、モデルの構築に関する弱点(外国の賃金水準の決定など)があり、今後まず第一にこれらの点を詰めてゆき、論文を完成させて令和2年度中に投稿する。 併せて今回の合法単純外国人労働者の受け入れを扱う研究において検討されていなかった重要な視点が、都市と地方の問題であった。日本でも高齢化で疲弊する農村の問題を解決する手段としての外国人労働力の活用は重要でありながら、これまでは農業分野の技能実習生など例外を除けば都市部に外国人が集中してしまっていた。日本の農村振興のための望ましい移民政策についても、今回の研究課題に組み込んで探究していきたいと思っている。
|
Causes of Carryover |
3月にイタリアに出張し、89th International Atlantic Economic Society Conference (ローマ)にて、半年かけて改訂した研究論文を報告する予定であったが、新型コロナ・ウィルス蔓延のため学会が中止となったため。令和2年度はコロナウィルスの鎮静化を待って、積極的に国内及び海外の学会で成果発表をしたいと考えている。
|
Research Products
(4 results)