2022 Fiscal Year Annual Research Report
合法外国人単純労働者の導入後における、質を確保できる望ましい移民政策の探究
Project/Area Number |
19K01637
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
近藤 健児 中京大学, 経済学部, 教授 (70267897)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 国際労働移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
外国人単純労働者の導入がおよぼす経済効果についての研究を継続し、とりわけアグリ・ツーリズム産業がある農村地域への域外からの労働力の導入がおよぼす経済効果については、東北学院大学の倉田洋教授との共同研究を引き続き進めた。2021年に刊行した論文は資本移動を伴わない発展途上国を想定したモデル分析だったが、本来の研究課題に近づけるために、資本移動と貿易が自由化された、失業者を抱える都市と完全雇用の農村共に柔軟賃金の小国先進国経済にモデルを拡張・変更した。コロナ禍が収束したので、論文"Agritourism, the Inflow of Foreign Workers and Economic Welfare in a Developed Country"を、9月にイタリア・バーリでの学会、2月にはスロヴェニア・リュブリャーナでの学会で、それぞれ報告をし、貴重なコメントを得た。この研究は引き続きさらに改良すべく改訂作業が進められている。 合わせて、日本大学の松原聖教授とは、論文"Protecting Brain Drain Versus Excluding Low-Quality Workers"で、低質な外国人労働者を排除して、一定水準以上の技能を持つものだけを受け入れようとする先進国と、頭脳流出を防ぐため、良質な労働者の流出を防ごうとする送り出し国の政策対立を検討した。低質な不法移民を受け入れ国政府が取り締まる方策は、その総量を規制できても、質的な向上には必ずしもつながらないが、送り出し国の人口増加が結果的に外国人労働者の質の向上につながりうることを示した。この論文はLe Van et al. (eds.) "International Trade, Economic Development and the Vietnamese Economy"に掲載された。
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Research Products
(4 results)