2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K01643
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| Research Institution | Tezukayama University |
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Principal Investigator |
蟹 雅代 帝塚山大学, 経済経営学部, 准教授 (20509187)
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2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 研究開発 / 調整費用 / イノベーション戦略 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、研究開発投資の調整の異質性を説明するため、分析モデルを検討し、その妥当性を実証的に検証している。研究開発投資は一時的な調整が困難であることから、投資の平準化が先行研究で指摘される。一方で、企業の研究開発は業種や属性によって多様であり、また近年のイノベーション戦略を考えると、企業に共通の調整過程（モデルやパラメータ）を想定することは現実的に難しいのではないかという問題意識がある。本研究では、企業によって研究開発投資の調整過程が異なることを実証分析によって示していく。
2020年度は、研究開発投資の調整に関する文献レビュー、分析モデルの検討、データセットの作成、推定を行った。日本企業のパネルデータセットを作成し、研究開発投資についてｑ型投資関数や動学パネルデータモデルを推定し、調整費用に係わるパラメータがどのような値をとるのか、また、それは企業属性によるグループ分けで異なるのかについて検証した。
本研究に関連する研究として、企業の内部資金（キャッシュフロー）や外部資金の変動が研究開発投資にどのような影響を与えるのか、またそれは経済環境の不確実性によってどのように変化するのかという論文を執筆した。本論文では、動学パネルデータモデルを採用し、研究開発投資は状態依存性が強い（前年と同じレベルの投資を維持しようとする）ことを示しており、投資の平準化が観察された。ここでは調整過程の異質性を考慮していないため、異質性を考慮した場合、どのような差異が見られるかを今後検証していく。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献レビュー、分析モデルの検討、データセットの作成、推定は研究計画にしたがって進んではいるものの、分析を精査する必要があり、遅れが生じている。それに伴い、論文執筆や学会発表の計画に遅れが生じている。
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究は、研究開発投資の調整の異質性を説明するため、投資の調整費用と企業属性・戦略の関係に着目している。2021年度の計画は、2020年度に引き続き分析モデルの精査、推定を進めていく。企業属性・戦略に関して利用可能なデータを検討しつつ、追加の分析を行う。得られた結果を論文にまとめ、学会等で発表を行う予定である。
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| Causes of Carryover |
データ分析作業の遅れや新型コロナウイルス感染拡大の移動制限により外部での発表機会の制約を受けたため、次年度使用額が生じており、今後解消する予定である。
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