2022 Fiscal Year Annual Research Report
アジア新興国におけるグローバル・バリュー・チェーンの展開と産業高度化に関する研究
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19K01645
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
田口 博之 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (70738020)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | グローバル・バリュー・チェーン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アジアにおいて、(1)グローバル・バリュー・チェーン(以下GVC)が展開するなかで、それを新興国の産業高度化にどのようにつなげていくか、(2)また、貿易自由化措置が進展するなかで、それがGVCの展開や新興国の経済成長にどのような影響を与えるか、を明らかにすることであった。 2022年度においては、中国とアセアン諸国とのGVC関係に焦点をあてて、そのGVC関係の強さが中国と日米間のGVC関係に比べて脆弱であるのは、アセアン諸国側のロジスティックパフォーマンスの低さに起因することを実証的に検証し、その上で中国がアセアン諸国に対して一帯一路戦略を通じたさらなるインフラ整備の支援をする必要があることを提言し、この研究成果については査読付き英文雑誌に掲載した(後述の研究発表参照)。 研究機関全体を通じては、上記の目的に沿って、①査読付き英文雑誌への10本の論文の掲載、②6件の学会発表、③2件の図書出版(いずれも章の執筆)を実現した。論文・図書の主な内容は以下の通り。ベトナムにおけるGVCの参加度の評価と産業高度化への転換及び裾野産業育成の必要性/貿易自由化のアジア諸国への貿易・経済への影響とGVC参加度との関連性/アセアン諸国におけるGVC参加度の貿易重力モデルを用いた定量的評価とロジスティックパフォーマンスとの関係性の検証/新興国のGVC参加における生産工程上の下流参加から上流参加への転換点の検証/GVC参加における国内付加価値の創出過程に対する知識・資本モデルによる理論的裏付け、等。
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Research Products
(1 results)