2020 Fiscal Year Research-status Report
Industrial structure changes of Japan from the population outflow mechanism
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19K01647
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| Research Institution | Aoyama Gakuin University |
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Principal Investigator |
山下 隆之 青山学院大学, 地球社会共生学部, 教授 (20252158)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 人口流出 / 重力モデル / システムダイナミクス |
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| Outline of Annual Research Achievements |
クリスタラー（Walter Christaller,1893-1969）の中心地理論に基づく地理学研究では、日本の都市構造には県庁所在市→大阪市・名古屋市・広域中心都市→東京都という階層性に沿った人口流が見られるとされてきた。2019年に出版した研究書の第６章では、都市間の階層構造に沿った人口移動を重力モデル（gravity model）によって分析し、県庁所在市の階層から大阪市・名古屋市・広域中心都市の上位階層への移動が減る一方で、県庁所在市から最上位階層である東京都へ直接に移動する割合が増えていること、そしてその傾向が近年は女性人口の移動に強く表れていることを指摘した。令和２年度には、産業の特化係数を追加した修正重力モデル（modified gravity model）を作成し、移動の傾向をよりはっきりと説明することができた。出発地において、製造業への特化は人口流出を抑えるが、運輸業・情報通信業への特化は男性人口の流出と、卸売業・小売業への特化は女性人口の流出の促進要因であることが分かった。そして、その統計的発見をシステム・ダイナミクスの手法でモデル化し、国際学会にて報告した。
また、その報告に対する反応のひとつとして、海外の学会から日本の都市問題に関する講演を依頼された。その準備を進める中で、資源問題と都市問題との関連性の深さに改めて気付かされることとなった。
令和２年度の後半は、人口移動研究の成果を社会へ還元する方向のひとつとして、喫緊の課題である人口流と新型コロナウイルスの関係を探る研究を追加することとした。具体的には、東京圏からの人口流入の是非が問題とされている静岡県伊豆地方の観光に焦点を当てた分析を始めた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19によるキャンパスへの入構制限や大学の活動指針による出張禁止により、資料収集とデータ編集が遅れている。他方で、世界的なオンライン化の進展に伴い、国際学会へは２件の報告を行うことができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
７月の国際会議では、人口の階層的移動を仮定することで、東京一極集中を再現するシミュレーション・モデルを発表した。次のステップとしては、そのような変化が生じた理由を探ることが課題である。昨年度のモデルでは、雇用に影響する産業の特化係数が地域間で異なることに注目して、人口移動を説明した。今年度は、所得に影響する労働生産性の違いの視点から人口移動を捉えてみたいと考えている。また、これらの移動要因を吟味するために、全国の県庁所在市と県内市町との間の移動に関するデータベースの構築を急ぎたい。
なお、COVID-19のため、キャンパスへの入構制限や出張自粛の継続が予想される。このため、在宅で研究を進められる理論モデルの開発を中心とせざるをえないであろう。昨年度の基本モデルを拡張していきたい。
緊急事態宣言が繰り返される中、昨年度は東京都からの人口流出が見られるようになった。この逆流も視野に入れて研究を進めたい。
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| Causes of Carryover |
COVID-19によるキャンパスへの入構制限により、研究補助者の確保ができなかった。このため計画していた謝金の支出が生じなかった。大学の新型コロナウイルス感染拡大防止のための活動指針に従い、ヒアリング等の出張も取りやめることとなり、旅費の執行も行えなかった。そうした制約も徐々に緩和されることと思われるが、海外渡航の再開は難しいであろうから、外国旅費の使用は次年度に繰越すことになる。
所属機関の変更により、申請時とは「備品」と「消耗品」の扱いが異なることとなった。このため、その他費目での支出の割合が増えている。
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Research Products
(2 results)
