2021 Fiscal Year Research-status Report
International Sectoral Productivity Comovement and the International Great Moderation
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19K01660
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
平田 英明 法政大学, 経営学部, 教授 (60409349)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 国際マクロ経済学 / 連動性 |
Outline of Annual Research Achievements |
三年度目は以下のような研究実績であった。 1.先行研究のサーベイ:本研究が注目する産業レベルの分析がKLEMS統計の充実とともに少しずつ出てきているので、それに関連したサーベイも実施した。ただし、データ更新毎にデータの変化も大きいため、作成方法を含めて精査している。 2.パネルデータセットの整理と記述統計量の計測:昨年に引き続き、データセットは、産業分類がデータによって区々なこともあり、丁寧にデータ処理をする必要があった。また、いくつかの新規更新データの接続作業等を行った。この他、国際的な資金フローや貿易フローに関する統計、世界的な生産ネットワークに関する情報収集と整理に時間を費やした。 3.プログラムの記述:データを分析するためのVAR分析やパネル分析のプログラムの準備を進めていった。金融危機やコロナ危機という大きなショックの前後での影響に関する対処をどうするかという問題が大きな課題となっているが、ひとまずそれらを考慮せずに推定するモデルの準備から始め、様々な補足的な分析をしていくことで、その影響を考慮した考察が行えるようにモデルを構築していくこととした。また、そもそも、プログラム以前の客観的事実の提示に関する作業も同時に進めた。 4.資本や投資のデータの中身について考察をしている中で、我が国の建設投資データの不適切な統計作成方法について洞察を深めた。5本以上のレポートを通じて、問題を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ危機の影響もあり、研究への時間配分が予定通りにいかず、かなり作業が遅れている。また、データの改訂に伴う、数値の大幅な変化の影響チェックなどにも時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
今回のコロナウィルスの問題は、様々な伝播や連動という部分で大変に興味深い。国際的な物流や人の往来による伝播のインパクトだけではなく、ショックを食い止めるワクチンの普及の影響、政治的な体制の影響など、かなり複雑なメカニズムが存在し、結果として各国の経済が受ける影響も区々となる。特にビッグデータも活用できるようになってきている中、断片的な分析となってしまうかも知れないが、日次データのような高頻度データを使った考察が可能なのではないかと考えており、準備を進めている。
コロナウィルスに関する上記の議論は、ウィルスの第一次的なショックのみでなく、第二次的なショックにも目を向けたものであり、ショックが始まって以来、時間が経つにつれ、このあたりのメカニズムが見えてきたことを、他の経済的なショックとの比較で考えていく必要があると考えている。その際、マクロ的な視点からの考察を基本と考えているが、ミクロ的な視点からの考察の方がデータの有無という観点からは有用かも知れないので、適切な分析に資するデータに関する考察を進めていきたいと考えている。 なお、研究が遅れていることから、研究期間の延長が必要だと考えている。
ただし、論文の執筆は進めており、なんとか年度内に一定の目処をつけられるようにしたいと考えている。
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Causes of Carryover |
延長期間の研究経費に回すため。コロナ次第であるが、学会発表等を検討している。
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