2019 Fiscal Year Research-status Report
Development and Applications of an Applied General Equilibrium Model that Incorporates the Strategic Choice of Heterogeneous Firms for Foreign Market Access
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19K01666
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Research Institution | Institute of Developing Economies, Japan External Trade Organization |
Principal Investigator |
小山田 和彦 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 開発研究センター 経済モデル研究グループ, 研究グループ長代理 (30450521)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 応用一般均衡分析 / 企業の異質性 / 企業の国際化戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、[1] 分析ツールの開発ベースとするためのグローバル応用一般均衡モデル (通常の貿易モデルにMelitz型の企業の異質性を組み込んだもの) のアップデート作業、[2] Helpman et al. (2004) が提案した理論モデルを数値シミュレーション・モデルとしてプログラム可能な状態にするための再定式化 (開発ベースとする貿易モデルへの直接投資の組み込み方の参考とするため)、[3] 再定式化した直接投資モデルをもとにカリブレーション法によってパラメータや外生変数を推計するための定義式の導出、および [4] パラメータや外生変数を推計する際に利用できそうな情報の収集について、研究代表者の小山田および研究協力者である名古屋市立大学の板倉健教授で実施した。[1] に関しては、国内製品・海外製品に関する経済主体別調達を考慮する方向で拡張した貿易モデルの概要や基本的性質などについて、22nd GTAP Conference (2019/06/20)、EcoMod 2019 (2019/07/10)、European Trade Study Group 2019 (2019/09/12)、および日本経済学会2019年度秋季大会 (2019/10/12 台風19号接近のため中止) で報告して各国の専門家との意見交換を行った。[2] および [3] に関しては、紙と鉛筆を使った代数計算によって細部における矛盾の発見と解消を繰り返し行ってきた。[4] に関しては、2020年2月17日と18日に経済協力開発機構 (OECD) およびフランス国際経済予測研究センター (CEPII) を訪問し、データの作成手順や使用上の注意点などについての聞き取り調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究作業の一部について、本研究課題発足以前の段階から前もって進めていたため。
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Strategy for Future Research Activity |
直接投資の組み込みに関し、モデルの構造に未だいくつかの問題点が残っていることが判明しているため、その修正作業を引き続き実施するとともに、3国3部門程度の小規模なプロトタイプAGEモデルとしてのプログラミング作業を開始する。その後、シミュレーション実験を実施してモデルの挙動に関する分析を行うとともに、実際に入手可能なデータとモデルとの整合性を確認する。モデル開発に関わる技術的な情報を収集するうえで各国の専門家との意見交換が非常に有効かつ重要であることが過去の経験から判明しているため、各作業ステップの移行時には、セミナーや学会、国際機関や研究機関でのワークショップなどで研究報告を行いたい。ただし、COVID-19の世界的流行によって研究報告の機会が限られてきているため、オンラインでの面会や会議開催も検討したい。
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Causes of Carryover |
理由: 当初購入予定としていた「GTAP10データベース」について、研究協力者である名古屋市立大学の板倉健教授が研究代表者を務める基盤C「経済連携協定と貿易摩擦のグローバルCGEモデル分析 (19K01677)」事業で購入したものを利用することが可能となったため。
使用計画: モデル開発に関わる技術的な情報を収集するうえで各国の専門家との意見交換が非常に有効かつ重要であることが過去の経験から判明しているため、可能な限りセミナーや学会、国際機関や研究機関でのワークショップなどでの研究報告のために利用させていただきたい (参加費や旅費など)。
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