2022 Fiscal Year Research-status Report
GDP forecast considering statistic reform - Nowcasting by big data
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19K01680
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Research Institution | Atomi University |
Principal Investigator |
山澤 成康 跡見学園女子大学, マネジメント学部, 教授 (50348166)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ナウキャスティング / 新型コロナウイルス / GDP統計 / 県民経済計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度に、研究課題の一つとして都道府県別月次実質GDPを推計し、そのデータを使って分析した。2021年10月までのデータを2022年に推計し、その結果を基に論文を作成した。その後、9月と11月のデータについても再推計を行った。これらの結果は研究代表者(山澤成康)のホームページで公開した。 都道府県別月次実質GDPのデータを使って、新型コロナウイルスの感染拡大が都道府県経済にどのような影響を与えたかを分析した。研究を計画した当初は新型コロナウイルスは存在していなかったが、その影響を分析することが適切だと考えた。それは、新型コロナウイルスの拡大とその対策は月次で分析するのが適切で、感染状況や人流抑制策は都道府県単位で行われることが多いためである。研究の結果、緊急事態宣言が実質GDPにどの程度影響を与えたかを定量的に測ることができ、いくつかのまん延防止等重点措置の効果の違いも明らかになった。 日本経済新聞社は、研究代表者が公開した月次実質GDPを使って独自の分析を行った。2023年2月18日付けの日本経済新聞朝刊「データで読む地域再生」で都道府県別の回復状況を分析し、各地域の経済状況についての関連記事を掲載した。これは本研究の社会貢献の一部と考えている。 また、統計利用の普及に努めた。情報科学技術協会からの依頼で「統計データ利用の現状」という論文をまとめた。総務省統計研修研究所で、「経済分析基礎理論」や「経済・金融データの使い方」について講義を行い、公務員の統計リテラシー向上に寄与した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り統計改革の動きをフォローした。2022年度は政府統計の次期5ヵ年計画の策定期間で、統計委員会の臨時委員として計画策定に関与し意見を述べた。 都道府県別月次実質GDPを公表することで「都道府県別のGDPを早期に推計する」目的は達成した。ビッグデータの使用については新型コロナウイルスの感染拡大の影響を分析した時に都道府県別・場所別の人流データや都道府県別の新規感染者数を使用した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題の一つである「景気とGDPの関係」について研究を進める。各都道府県の統計文書では、人員不足から県民経済計算の速報化を中止しているところが多く、現状把握には、景気動向指数を使っているところが多い。都道府県別実質月次GDPを景気動向指数を使って推定する方法を模索する。精度の高い推定法が見つかれば、各都道府県が作成した景気動向指数を活かしながら県民経済計算の早期化も可能になる。 また、研究のまとめとして経済分析に関する書籍を出版する予定である。
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Causes of Carryover |
新聞のテキスト分析などを計画していたが、無料で入手できるグーグルの「人流データ」や「新規感染者数」などのデータを活用したため、データ購入が不要になった。 次年度には、英文論文の発表や書籍の出版を予定しており、それらの準備のために研究費を使用する。また、最近急速に発展しているAI(人工知能)を研究に採り入れるため、日本人工知能学会などの学会に参加する。
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Remarks |
「跡見学園女子大学 山澤研究室」から、推計した都道府県別月次実質GDPがダウンロードできる。
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Research Products
(8 results)