2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K01706
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
木村 寛子 (奥平寛子) 同志社大学, ビジネス研究科, 准教授 (80550954)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 情報の非対称性 / 新卒労働市場 / 採用 |
Outline of Annual Research Achievements |
深夜残業があるか、昇進に男女差別があるか、といった企業内の労働環境に関する情報(以下、企業内情報)の非対称性を解消することは、求職者だけではなく、社会全体の厚生を改善させる可能性がある。企業内情報が公開されることにより、求職者が条件の悪い企業への応募を避けるようになり、結果として、長時間残業や男女差別の深刻な企業を労働市場から淘汰することができるかもしれないからだ。本研究では、労働環境に関する情報の非対称性が解消されることによって、①求職者の応募行動が変化したり、②労働環境がどの程度まで改善されたりするのかを統計的に検証する。
今年度は昨年に引き続きデータの整備を進め、分析を行った。具体的には、政府統計調査から企業内の労働環境を示す外部データとアウトカムデータを紐づけるためのプログラムを作成し、いくつかの分析を行った。
本研究課題に関連する研究成果をディスカッションペーパーとして刊行し、国際査読誌に投稿した。本研究に関連する業績として、企業内環境が新卒採用者数に与える影響を検証した論文が国内査読誌に採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年までの以下の影響を受けて、本年の分析も当初の予定より後ろ倒しで実施したものの、本年の分析自体は順調に進展している。
前年までの進捗状況において「やや遅れている」と報告した理由:企業内の労働環境を示す外部データとアウトカムデータ(政府調査票)を紐づけるための総務省の調査票データの取得に際して、事前審査のやり取りに想定以上の時間がかったため。コロナ禍における大学本務の対応が増えたため。
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Strategy for Future Research Activity |
国際査読誌への投稿を念頭に研究成果をまとめるにあたり、十分な分析内容の検討が必要と考え、研究期間を延長することとした(2022年3月承認済)。本年中も引き続き分析をすすめ、研究成果をまとめることを目指す。
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Causes of Carryover |
当該年度の予算処理の端数誤差により少額の次年度使用額が生じた。次年度の研究遂行に必要な文具や印刷用紙代等に充当する。
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Research Products
(6 results)