2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K01726
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小西 秀樹 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (50225471)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 官民給与格差 / 賃金交渉 / 価格規制 / 政治経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で交渉モデルを用いて,いわゆる公的企業の経営者の給与水準が民間企業の経営者よりも低い理由を政治経済学的なフレイムワークのもとで考察している.分析は数学モデルを展開して,価格規制が賃金交渉に与える影響に焦点を当てている.基本的なアイディアは,公共サービスを提供する場合,社会的余剰が経営者の給与を決めるベースになるはずだが,価格が低く抑えられると,利潤が減少し,経営者の取り分も低下するというものである.これについてはすでに大方の理論的結果を得ているが,直観的な理解を促すために,図を使った説明を考え,論文の改訂を試みた.共同研究者(カリフォルニア大学アーバイン校のアミハイ・グレイザー教授)とはメールでのやり取りで連絡を取り合っているが,時差の関係や教授がコロナを機に退職されたこともあり,作業に時間を要した.図を使った改訂のアイディアは,21年10月に札幌で開催された統計研究会財政班の研究会で報告し,そこでのコメントを受け,論文の内容も含めて,現在,一層の改訂を進めている.本研究ではアメリカの事例を念頭に置いて分析してきたが,研究会では日本の公的部門における賃金決定との関連でコメントをいただいたので,今後はこの点についても考慮して分析をすすめる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響で共同研究者と研究上の連絡を密にできず,また国内外の学会や研究会でのプレゼンテーションが制約され,有意義なフィードバックが得られないまま改定作業を進めているため.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はようやく国内外での学会参加や共同研究者との対面での作業などに制約がなくなると思われるので,改定作業を完了させ,改めて海外の査読付き学術誌への投稿へ進みたいと考えている.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス蔓延のため,国内外での学会や研究会に出席することができず,共同研究者とも対面で会うこともできなかったため,予定していた出張がほぼキャンセルになったから
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