2021 Fiscal Year Research-status Report
近年の金融面の各種施策を受けた金融市場の構造変化:理論・実証・実験アプローチ
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19K01743
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
篠 潤之介 早稲田大学, 国際学術院, 准教授 (30822217)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 金融・ファイナンス研究 / 固定金利資金供給オペレーション / 海外機関投資家 / 日本銀行 / ETF買入れ政策 / 貸株市場 / 区間ゲーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、(1)「固定金利資金供給オペレーションにおける投資家行動と安定性に関する実験研究」(2)「スチュワードシップ・コード(SC)およびコーポレートガバナンス・コード(CGC)策定に伴う本邦株式市場の構造変化」(3)「日本銀行の資産(ETF)買入れ政策が本邦株式貸借市場に与える影響」の3トピックを分析対象としている。また、昨年度の実施状況報告書では、より基礎的な研究である(4)区間ゲームの分析についても進捗を図ることを明記した。 (1)については、2020年度にすでに学術論文への掲載が完了している。 (2)については、主要な分析を7月にRIETIで発表した。その後も分析を進め、2022年2月に初稿が完成。同年6月のファイナンス学会での発表の審査を通過している。 (3)については、貸株についての1本目の論文を投稿し、1次レビューを通過。リバイスを行い現在結果待ちの状況。また、2本目の論文となる分析結果を共著者がBISでプレゼン。さらに、関連したテーマとして、ETF買入が株価リターンに与える影響についての論文を2本作成。1本は現在投稿中、もう1本は貸株論文と合わせ、国際カンファレンス(Econometric Societyなど)での発表審査を通過。 (4)については、1本目の論文がJournal of the Operations Research Society of Japan 誌に掲載された。2本目の論文は現在投稿中。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記(1)については、当初予定対比前倒しで完了。(2)については概ね予定通り。(3)については貸株論文の1本目については幾分遅れているが、予定になかった3本の論文を同時に進めているため、内容的には大幅に拡充している。 以上より、全体としてみると、研究は当初計画対比、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
上記(2)については、今年度中の学術雑誌への投稿と、1次審査の通過を目指す。(3)については、2本の今年度中の学術雑誌への掲載と、2本の投稿を目指す。また、関連する新たなトピックにも着手したい。(4)については、現在投稿中の論文の学術雑誌への掲載を目指す。
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Causes of Carryover |
当初予定していた国内・海外カンファレンスの参加をとりやめた。また、データ購入額が当初予定額より少額で済んだ。 次年度は、学会への参加や、当初対比で本数が多くなった、論文作成時の英文校閲等に充当する。
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Research Products
(2 results)