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2023 Fiscal Year Research-status Report

大規模な金融危機に関する理論的および実証的研究と政策の解明

Research Project

Project/Area Number 19K01752
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

中田 豪  新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (70509439)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2025-03-31
Keywordsグローバルゲーム / 市場規律 / ソブリン債
Outline of Annual Research Achievements

預金取り付けと債務危機に関する研究、および金融危機が伝染するもとでの負債の規律付けの効果に関する研究を行い、エコノメトリック・ソサイエティの北米大会などにおいて発表した。
一つ目の研究については、預金取り付けと債務危機が互いに影響しあい、ある種の悪循環があることを示すモデルを過去に構築している。本プロジェクトでは、このモデルにおいて情報の不確実性がいかなる影響をもたらすのかについて分析した。
二つ目の研究では、短期負債が銀行を規律づけるとする先行研究を再検討した。先行研究では、要求払い預金あるいは短期負債といった形で銀行が借り入れを行うと、ひとたび銀行経営者が債権者の意に反する行動をとると銀行から預金が引き出される。これを危惧する銀行経営者は債権者の利益にかなった行動をとろうとする。しかしながら、本研究のように金融危機が伝染するもとでは、ある銀行の収益は銀行以外の金融市場からも影響を受ける。従って、銀行経営者のインセンティブは金融市場の状態に依存する。このような環境においては、ある条件のもとでは要求払い預金および短期負債が銀行経営者をかならずしも規律付けるとは限らないことを私自身の過去の研究において示している。本プロジェクトでは、各投資家が保有する情報の精度によっては、このような規律付けが全く働かないような状態に極めて近い(漸近的に規律付けが全く働かない)場合があることを示した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

情報構造の影響についてあらためて厳密に分析しなおしたため、他の課題の進捗が遅れた。

Strategy for Future Research Activity

二つの課題について分析を完遂させる。

Causes of Carryover

補助事業の目的をより精緻に達成する必要が生じ、当初予定していた学会発表を先延ばしにしたため。今後は、完成した成果を順に学会で発表していくが、それらの参加費や旅費に本研究費を使用する。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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