2020 Fiscal Year Research-status Report
Research on portfolio selection problems incorporating uncertainty of investment times
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19K01757
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
徐 春暉 千葉工業大学, 社会システム科学部, 教授 (70279058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎名 孝之 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90371666)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ポートフォリオ / 金融投資 / 投資評価 / 市場リスク / 時間不確実性 / VaR / PVaR |
Outline of Annual Research Achievements |
投資終了時間が固定していないポートフォリオ選択問題について、2つの方向で研究を進めた。
1) 投資終了時間を一様分布に従う確率変数とすることを前提に、ポートフォリオ最適化問題を定式化し、モデル解析方法を提案し、その効率を数値計算実験で検証した。 投資のリスクをPVaRという我々が提案した区間リスク指標で測り、投資のリターンを収益率の投資期間と投資先価格に対する期待値で測り、ポートフォリオ最適化問題をPVaR最小化モデルで定式化した。PVaR最小化モデルの解析方法として、混合整数計画モデルを解く方法を提案した。この解析方法の効率を数値計算実験で検証し、中規模のモデルに対して方法の実用性を確認した。研究成果を1本の論文で纏め、Quantitative Financeで公表した。 2) 投資終了時間を決定変数に加え、投資時間の最適化を含めたポートフォリオ選択問題の定式化と解析方法を研究した。 投資終了時間を連続変数とし、投資のリスクをVaRで測り、投資終了時間の最適化を含めたポートフォリオ選択問題を連続時間VaR最小化モデルで定式化した。このモデルを一定条件の元で離散時間VaR最小化モデルを解くことによって解析する方法を提案した。元のモデルの最適解に近い解を得るために、多くの離散間VaR最小化モデルを解く必要があり、計算負荷が高くなる。計算負荷を軽するために、Gradually Fining Strategyを提案した。この戦略は最適解を得る保証を対価にし、計算負荷を大幅に軽減できる。実際の金融市場からの株価データを用いた計算実験を実施し、この戦略は高い確率で最適解に導くことも示された。研究成果を論文に纏め、専門雑誌に投稿している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究はおおむね計画通り進んでいる。
第1種モデルを構築し、解析方法を提案し、その効率を数値計算実験で検証した。研究論文1本を金融の専門雑誌で公表した。第2種モデルを構築し、解析方法を提案した。解析方法の効率検証計算実験を行い、有効性を確認した。1本の論文を専門雑誌に投稿している。
学会で研究成果を発表する計画は新型コロナウィルスの関係でキャンセルになったので、学会発表はなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は第2段階の後半に入っている。令和3年度は下記2つのテーマに研究の重点を置く。
1)投資の開始と終了時間を確率変数にするポートフォリオ選択問題:モデルの構築と、モデルの解析方法を研究する。投資時間の確率分布について、一様分布以外の分布も検討する。
2)投資終了時間を決定変数とする投資モデルの解析:VaR以外のリスク指標を利用し、投資終了時間の最適化を含めた投資最適化モデルを効果的で効率的に解析できる方法を研究する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響で、国際会議の参加や共同研究打ち合わせなどが出来なかったため、海外渡航や国内旅費の予算は使用しなかった。
令和3年度に、状況が許す限り国際会議の参加、研究打ち合わせ、計算実験のために予算を活用する計画である。
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