2022 Fiscal Year Annual Research Report
Equity and Debt Finance of the Japanese REITs
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19K01760
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
金 よん晋 法政大学, 経営学部, 教授 (80326008)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | J-REIT / 不動産投資法人 / エクイティ・ファイナンス / 公募増資 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究計画を修整し、J-REITの投資対象である不動産市場の環境(不動産市況)が、不動産投資法人のエクイティ・ファイナンスにおいて最も重要性の高い公募増資(SEO; Seasoned Equity Offerng)の行動に及ぼす影響について考察を行った。 具体的に、2002年から2020年の間にJ-REIT市場で不動産投資法人によって実施された公募増資を対象に、不動産市況が公募増資のタイミングと市場反応にどのように関わっているかについて分析を行った。不動産市況を示す指標のうち、代表的なものとして不動産投資家の期待投資利回りとオフィス空室率の変化に注目し検証を行った結果、公募増資のタイミングに対しては、不動産投資家の期待投資利回りは公募増資の実施を促す役割を、オフィス空室率の悪化は公募増資の実施を抑制する役割を果たしていることが確認された。 他方、公募増資の市場反応に対しては、オフィス空室率の悪化は、市場評価を低下させることが確認された。また不動産投資家の期待投資利回りは、オフィス空室率の変化に比べ有意性は劣るものの、市場反応の悪化を低減させる役割を担っているという結果が得られた。 以上の結果は、一般事業会社において、市場環境が発行体にとって良好と考えられる時に公募増資を実施する傾向があるという既存研究結果と概ね整合的であるが、リートにおける市場環境の重要性をより明らかに表していると言える。 この研究は、2022年度日本ファイナンス学会秋季大会にて報告された。
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Research Products
(1 results)