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2022 Fiscal Year Research-status Report

家族企業の戦略行動と企業業績の関連性に関する実証分析

Research Project

Project/Area Number 19K01764
Research InstitutionKyoto Sangyo University

Principal Investigator

沈 政郁  京都産業大学, 経済学部, 教授 (70706499)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 久保 亮一  京都産業大学, 経営学部, 教授 (80339754)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2024-03-31
Keywords多角化 / 決定要因 / 多角化の成果
Outline of Annual Research Achievements

昨年度 (2021年度) は,セグメントを集約することで単純にセグメントの数を数える既存研究に比べて多角化の程度が低く推定でき、多角化行動は製造業がメインであり非製造業では多角化が進んでいないこと、多角化が進んだとしてもそれは主に関連多角化であり、非関連多角化をおこなった企業は稀であることを明らかにした。
今年度は (2022年度),多角化の決定要因と多角化の成果を分析した。多角化の決定要因では、単純にセグメントが増えた場合、4桁レベルで増えた場合 (関連多角化)、2桁レベルで増えた場合 (非関連多角化) などを中心にLogit分析を行い、ほとんどの場合業績が悪化した時にセグメントが増えることを見出した。言い換えると、攻めの多角化ではなく守りの多角化であると捉えることができる。
次に多角化の成果の分析であるが、可能な限り因果推定をおこなうために、Propensity Score MatchingとDID (Difference-in- Difference) を組み合わせて考察をおこなった。得られた主な結果は多角化の成果が良くなく比較対象に比べて多角化した後にROAが低くなった。なぜ業績が悪化するかを見極めるために、資産の変化と営業利益を別々に考察し,多角化の結果資産は大幅に増えるが、営業利益が相対的に増えないので,ROAが下がることを発見した。言い換えると、増えた資産をうまく活用し収益に結び付けることができないのが主な理由と言える。この特徴をもう少し詳しく考察するために、製造業と非製造業に分けて分析を行い、製造業は相対的にROAの下落が小さいが、非製造業はROAの下落が大きいことを見出した。理由は前述したように非製造業では資産の増加が大きく営業利益の増加が小さいからである。得られた結果をまとめると、多角化という企業行動の特性上ROAで成果を測ると、資産の増加に対し利益がすぐに実現されないので、相対的に業績が悪化したように見えてしまうということである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

少し遅れている。今年が研究の最終年度であるが,論文の形に仕上げることができなかった。そこで最終年度の延長申請を行い,許可を得ている。主な結果が出揃ったので,延長1年目で論文に仕上げ海外雑誌に投稿する段取りである。

Strategy for Future Research Activity

現在までの進捗状況で述べたように,延長1年目で論文に仕上げ海外雑誌に投稿できるように,今まで得られたすべての結果をまとめ論文の形に仕上げてゆく予定である。論文は多角化の長期推移,多角化の決定要因,多角化の成果の3つを想定している。

Causes of Carryover

Covid19の影響で海外学会参加などの活動が制限され、予定していた支出をおこなうことができなかった。今年度では、執筆活動に専念し、学会での発表や論文校閲などで未使用分をしっかり活用していく予定である。

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Published: 2023-12-25  

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