2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K01791
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
湊 照宏 立教大学, 経済学部, 教授 (00582917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 祐介 首都大学東京, 経営学研究科, 准教授 (30711238)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 農地改革 / アメリカ援助 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、終戦から1950年代にかけた台湾・韓国経済の復興・成長過程を、米国の対外援助政策との関連で比較検討していくことにある。アジア冷戦構造の中で台湾・韓国が脱植民地化を模索しつつ、米国援助を利用して工業化を進展させた過程について、①旧日本資産の接収・処理と国内資本の再編、②米国援助資金・資源の配分と国内資本の育成、といった論点を中心に明らかにする。第一年度は、旧日本資産の接収・処理と国内資本の再編、という論点①を中心に比較検討することにした。比較検討の際には、旧日本資産の多くが民営企業に払い下げられた韓国、旧日本資産の多くが公営企業化された台湾、といった相違点を意識し、農地改革の過程も含めて進めることにした。 以上の検討を進めるために関連図書の購入や資料収集を実施した。研究分担者は、日本および韓国における先行研究のサーヴェイに努めた。そのうえで、韓国の農地改革研究と旧日本資産払い下げとの関連を問う意義の確認を行った。研究代表者は、2019年8月および11月に台湾の中央研究院や国立公共資訊図書館などで資料収集を行った。旧日本資産の接収に関する資料や、農地改革に関する資料を収集し、現在検討作業を進めている。また、論点②にかかわる米国援助と台湾経済の関係についても分析し、米国援助にともなうレーヨン産業の育成から合成繊維産業の発展に至る過程を明らかにした。その成果の一部は、武田晴人・林采成編『歴史としての高成長:東アジアの経験』(京都大学学術出版会、2019年12月)の第2章「台湾の高成長と経済政策」および第7章「台湾合成繊維産業の発展と産業政策」に所収されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染者増加の影響を受け、2020年1月から3月にかけて予定していた資料調査や研究会が実施できなかったことにより、研究の進捗はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も海外での資料収集の実施は見通しが立たないため、インターネットで公開されている資料や先行研究に依拠しながら研究を進捗させていく。研究会の開催も見通しが立たないため、オンライン会議のシステムを利用して、研究代表者と研究分担者との連携を図っていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染者増加の影響を受け、2020年1月から3月にかけて予定していた資料調査や研究会が実施できなかったことにより、予定よりも支出額が減少した。生じた次年度使用額については、刊行されている資料の購入や、オンラインでの研究代表者と研究分担者との連携を強化するために必要な用品の購入に使用する。
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Research Products
(2 results)