2021 Fiscal Year Research-status Report
Systematic Review of Japanese Human Resource Management Studies
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19K01805
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
江夏 幾多郎 神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (00508525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 秀樹 同志社大学, 政策学部, 准教授 (90567801)
余合 淳 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (50736808)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 体系的文献レビュー / 人事労務管理 / レリバンス問題 / 研究と実務の乖離 / 日本労務学会 / 労政時報 / 小池和男 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,日本の人事労務管理の実務と研究がどのような進化・変化を行うべきなのかについて,計量的な証拠に基づいて提言することを目指す。これまで,日本の人事労務管理研究のデータベース作成と解析(計量的テキスト分析)を,日本労務学会の成果物に着目して行ってきた。データベースの作成は,日本労務学会の全国大会論集(1971~)および機関誌(1999~)に掲載されている「全ての」論文,シンポジウム要旨の,「タイトル」「著者」「キーワード」「要旨」「引用文献」を表計算ソフトに転記する,という過程によってなされた。論文本文の転記は,著作権上の理由により難しいものの,引用文献情報の利用が,従来のシステマティック・レビューにはない特徴である。どのような文献を引用しているかによって,それぞれの研究の特徴のみならず,学会の議論の潮流を把握することができるのである。さらには,日本の人事労務管理の実務界における言説の変遷について体系的に整理するため,代表的雑誌である『労政時報』の1971年から2020年までの主要記事タイトルについて,表計算ソフトに記載した。具体的には,毎週あるいは隔週で発行されてきだ同誌における1から5程度の特集記事のタイトルを抽出した。これは,同時期の学術界の言説の体系(既述)との比較を通じ,理論と実務のずれ(theory and practice gap)を特定するためである。
2021年度は,こうした作業の結果に基づき,人事労務管理をめぐる言説や基本的仮定・思想が,実務界と研究界でどの程度一致または乖離しているのか,そこにどういう歴史的変遷があるのかについて,計量的に明らかにする報告を行った。その上で,研究関連のデータベースの分析に基づく論文を執筆した。さらには,研究における文献引用動向から,主導的な研究者を特定し,その研究の論じ方を明らかにする口頭報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データベースの蓄積も分析も完了した。しかし,新型コロナウイルスの流行に伴い,国内外での口頭報告,それに付随する研究者同士の交流の機会が減少している。そのため,研究終了期間を1年繰延した。こうした中,従来想定されていなかった調査課題も明らかになり,それに着手することもできた。従来よりも適切な議論に基づくアウトプットが産出されることが期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで構築してきたデータベース,そして分析結果を取りまとめ,論文や書籍の形で交換する。また,計量的情報を裏付けるような質問票調査やインタビューを,人事管理の研究者や実務家を対象に行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の流行等により,海外出張の計画がなくなり,研究計画の見直しと使用目的の再検討の必要性が生じたため。
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Research Products
(3 results)