2023 Fiscal Year Research-status Report
Modeling of the mechanism of the work motivation in the late stage of the carrier
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19K01806
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
吉澤 康代 香川大学, 地域マネジメント研究科, 准教授 (60567379)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 再雇用 / 定年退職 / ブリッジ雇用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究における60代調査分析の結果から、定年前後及び再雇用における経験と心理的適応は「Ⅰ.定年後の再雇用を意識する」「Ⅱ.50代での新たな仕事、職場、ポストオフなどから立ち直る」「Ⅲ.再雇用後に役割獲得し前向きになる(役割獲得するが退職意向を示す)」「Ⅳ.60歳以降のアンバランスさを解消する」のフェースに整理した。 2023年度は、日本の再雇用と類似した海外の現象として「Bridge Employment(ブリッジ雇用)」について着目し、近年の研究動向及び研究成果の整理を行い、本研究の成果と比較検討等を試みた。 その結果、日本の再雇用は、海外で一般的とされるブリッジ雇用と比べて特異な点があることが分かった。ブリッジ雇用は、フルタイム雇用の退職後、労働力として完全な撤退の前に仕事に従事することを指し、キャリアブリッジ雇用とノンキャリアブリッジ雇用に分類されている。キャリアブリッジ雇用は、退職前と同じ業界や分野の職業に就くことで(退職前と同じ組織の場合と別の組織の場合がある)、ノンキャリアブリッジ雇用は、退職前と異なる分野や職業に就くことで、高齢者の間で最も一般的とされている。また、ブリッジ雇用の柔軟性と引き換えに低い給与と地位を受け入れることが多いとされている。日本の再雇用は、退職前と同じ組織で退職前よりも低い給与と地位を受け入れ、アイデンティティや自尊意識の再構築に取り組む場合が多く、ブリッジ雇用への適応プロセスとしてより困難さを伴うことを推察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は2023年度を最終年度と予定していたが、年度後半に当初予定していなかった本務校の業務を担当することになり、ブリッジ雇用のレビュー、本研究成果との比較検討までは着手できたが、比較検討を踏まえた上での定量調査を実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
補助事業期間延長が承認されたため、2024年度はこれまでの定性研究で得たモデル(再雇用への適応プロセス)の一般化を目指した定量調査を実施する。定量調査はWeb調査(比較的大規模なアンケートパネルを保有するリサーチ会社を利用)を用いることで、実査からローデータの入手までを比較的短期間に執り行う。年度前半に丁寧な調査設計を行い、後半に実査、分析を予定する。
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Causes of Carryover |
本研究は2023年度を最終年度と予定していたが、年度後半に当初予定していなかった本務校の業務を担当することになり、定量調査を実施することができなかったことから、当該助成金が生じた。2024年度は定量調査等の実施に当該助成金を使用する予定である。
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