2021 Fiscal Year Annual Research Report
「垂直統合志向」概念を用いたフランチャイズ研究:人的資源に着目したプロセス分析
Project/Area Number |
19K01809
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
小本 恵照 駒澤大学, 経営学部, 教授 (50554052)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フランチャイズ / 心理的オーナーシップ / 垂直統合 / 社会的アイデンティティ / 出店 / 直営店 / 加盟者 / 企業家 |
Outline of Annual Research Achievements |
「心理的オーナーシップ:PO Psychological Ownership」がフランチャイズ・システムに与える影響に関する理論を精緻化するとともに実証分析を行った。分析結果は下記のとおりである。 まず、本部企業家のPOが意思決定に与える影響を分析した。様々な本部企業家の存在を踏まえ、「創業経営者」、「家族経営者」、「非創業家経営者」に分けて検討を加えた。また、POの対象は多様であり、フランチャイズ店、直営店、ブランド、会社、チェーンなどをそれぞれ検討の対象とした。 POに関する先行研究から、各々のタイプの経営者が各対象に対して抱くPOの大きさを分析し、意思決定に与える影響を考察した。それによると、フランチャイズ展開をせず直営店のみを出店している状況では、新規出店の意思決定において直営店志向のバイアスが、創業経営者と家族経営者に生じることを明らかにした。一方、直営店に加えフランチャイズ店も展開している状況では、直営店志向のバイアスは家族経営者のみに生じることが判明した。また、店舗形態の選択に関する実証分析としてオンラインサーベイを行ったが、分析結果では有意な影響を計測するには至らなかった。設問等の調査設計を再検討した上で、今後再実施することとしたい。 次に、運営店舗などに対してフランチャイズ加盟者がPOを抱くことを踏まえ、主要な加盟者タイプごとにPOの強さを分析した。それによると、テリトリー権を持ち複数店を専業経営するケースでPOが強まるなど、タイプの違いによるPOの大きさの相違が明らかとなった。 研究期間全体でみると、社会的アイデンティティとPOを中心概念に据え、心理的要因を考慮する中で本部企業家などの意思決定プロセスを分析した点に本研究の特長がある。これは、経済的要因の分析が中心であったフランチャイズ研究を、より実態に即した側面から拡張することにつながったと考える。
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Research Products
(1 results)