2020 Fiscal Year Research-status Report
組織における女性リーダーシップの阻害要因の解明:ジェンダー・ギャップからの検討
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19K01811
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
松崎 友世 大東文化大学, 経営学部, 教授 (80398883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
盧 回男 日本女子大学, 人間社会学部, 研究員 (10724560)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 女性管理職 / リーダーシップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、女性が組織の中で管理職の地位に就くことが困難であること、すなわち組織における女性のリーダーシップ能力の促進を阻害する要因について、社会心理学的視点から解明することである。 2020年度は、①高学歴女性を対象としたキャリアに関する調査の自由記述データを用い、職業生活や家庭生活で感じる不安について検討を行った。その結果、不安を有する割合は、調査対象者の約8割とかなり高くなっていた。特に就職氷河期を経験している若い世代できわめて高いことが明らかとなり、不安を高める要因には加齢に伴う個人的変化のみでなく、社会的背景も関係することが示唆された。また、雇用形態別での検討では、自営業者では不安を有する人の割合は、世代が上がるにつれて増加していた。一方、雇われて働く(正規・非正規)従業員の不安を有する割合は、世代を問わず8割前後の値であった。雇われて働く女性は自営業の女性よりも不安を有する割合が高くなる傾向がみられた。 ②女性活躍を推進する働き方についての調査データを用い、キャリア意識と自己効力感の関係について検討を行った。全体として女性は男性よりも昇進意欲が低くなっていた。しかし、各役職別での昇進意欲における自己効力感を検討した結果、主任相当職以上では女性のほうが男性よりも自己効力感が高くなっていた。 ③多様化する女性の働き方について検討するため、女性起業家を対象として聞き取り調査を行った。聞き取り内容としては、事業の状況、ライフコースやキャリア形成の様子などであり、直面する課題などの一端を理解することを目的として行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
女性の就労や生活で感じる不安に関する検討では、多くの女性が不安を抱えていること、さらに不安の要因がそれまでいわれていたような加齢に伴う個人的変化のみでなく、社会的背景も関係することが明らかとなった。また、就労している女性と自己効力感の関係を検討した結果、役職についている場合は同じ職位である男性よりも女性のほうが、自己効力感が高いことが明らかとなった。女性起業家についての聞き取り調査については、今後詳細な分析を行う予定である。 現在までの研究により、予定しているオンライン調査に関する新たな検討項目および研究における今後の検討課題が得られた。 以上のことから、「おおむね順調に進展している」と判断した
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Strategy for Future Research Activity |
1)ジェンダー・ギャップに関する社会的な要因を検討するため、若い世代を対象としリーダーシップ能力に関連するジェンダー・ステレオタイプについての検討を行う。 2)ジェンダー・ギャップに関する要因(組織要因・社会要因・個人内要因)を検討するため、リーダーシップ能力に関連する学校や企業組織の教育、制度、家庭状況などの性差について検討を行う。 現在までに得られた結果および1)と2)の結果を用いて、女性のリーダーシップ能力の促進に関する阻害要因の検討を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の流行により、発表を予定していた学会の2020年度の大会が開催されなかったため、大会への参加が出来なかった。また、オンライン調査の実施を延期したため、残金を翌年度にまわした。これらを物品の購入、オンライン調査の追加費用および論文執筆にかかる費用などに使用する予定である。
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Research Products
(1 results)