2019 Fiscal Year Research-status Report
A study on interactive knowledge transfer mechanisms in MNCs
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19K01814
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
青木 克生 明治大学, 経営学部, 専任教授 (20318893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Olcott George 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (80751552)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 多国籍企業 / 知識移転 / bounday spanning |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は,文献研究,海外調査,研究成果出版という点において大きな成果を残すことができた。以下順に成果を報告していく。文献研究については,多国籍企業における知識移転について近年多くの注目を受けているboundary spanning概念を中心に理論動向の包括的な整理を実施した。この文献レビューの結果は,現在執筆中のOlcott氏との共同論文「A dynamic equilibrium model of boundary spanning: Managing hybridization of practices in Japanese multinational companies」へと反映されている。海外調査については,研究分担者であるOlcott氏と伴に6月においてデンソー,トヨタの中国子会社でインタビュー調査を展開した。国内調査については,トヨタ,マツダ,ヒロテック,NSウエスト,ブリヂストン,曙ブレーキ,旭鉄工,アサヒビールなどでインタビュー調査を実施した。これら調査結果から,知識移転とboundary spanning activitiesとの関係について考察することが可能となった。 研究成果発表としては,経営領域のトップジャーナルAcademy of Management Journalから以下の論文が8月にacceptされた。Aoki. K. “The roles of material artifacts in managing the learning-performance paradox: The kaizen case.”, 2019 (published online). 学会報告としては以下のものがある。Aoki, K. and Olcott, G. “Managing Hybridization: Transferring Production Practices within Japanese MNCs”. Proceedings of AoM Annual Conference, pp.1-39, August 2019. 日本語論文としては以下のものがある。青木・オルコット(2020)「日本企業のグローバル化とローカル化戦略: 生産システムと人的資源管理」経営論集,67 巻第1・2・3 号。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究進捗状況については,「やや遅れている」との判断が妥当であろう。文献研究については当初計画していたAcademy of Management Journal, Academy of Management Review, Administrative Science Quarterly, Journal International Business Studies, Journal of Management Studies, Organization Science, Organization Studies, Strategic Management Journalなどから関連論文をほぼピックアップし,包括的なレビューを行っている。実態調査については,6月に中国における調査を実施し,日本においてはおよそ10社から20以上のインタビューを実施している。この点についてはおおむね順調に進展しているということができる。しかしながら,2020年3月に予定していた欧州調査がコロナウィルスの状況でキャンセルを余儀なくされてしまった。この調査はイギリス,ドイツなどで日本企業の知識移転のあり方を調査し,それをアジア(中国)のあり方と比較することを意図していた。これは2019年度の研究計画の中核的なイベントでもあったため,大きな痛手であった。成果公表については,英語論文と日本語論文の双方の出版があり,おおむね順調である。現在は,Olcott氏と共同で「A dynamic equilibrium model of boundary spanning: Managing hybridization of practices in Japanese multinational companies」と題する論文を執筆している。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の計画について,a.理論概念の発展,b.海外子会社と日本本社への実態調査,c.研究成果の公表,の3つに焦点を当ててみていく。aについては,引き続きAcademy of Management Journal, Academy of Management Review, Administrative Science Quarterly, Journal International Business Studies, Journal of Management Studies, Organization Science, Organization Studies, Strategic Management Journalなどから関連論文をピックアップし,多国籍企業における知識移転についての理論動向の包括的な整理を進めていく。bについては,現状ではコロナウィルスの影響でインタビュー調査の見通しが立てられていない。可能であれば,秋以降にアジア(中国,マレーシア,タイ)などで知識移転に関わる海外駐在員と現地マネジャーとの間の分業体制などに焦点を当て実態調査を展開していきたい。また2021年の春には,可能であれば今年度キャンセルされた欧州調査を実施する計画である。cについては,オルコット氏と執筆中の論文を仕上げ,Strategic Management Journalに投稿する予定である。それ以降は,California Management Reviewなどで実務家向けの論文執筆に取り組んでいく予定である。
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Causes of Carryover |
2020年3月に予定していた欧州調査がコロナウィルスの影響でキャンセルとなり,25万円近くの差額が生じた。この差額は2021年春に同様の調査を行うことで使用する計画である
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Research Products
(3 results)