2021 Fiscal Year Research-status Report
A study on interactive knowledge transfer mechanisms in MNCs
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19K01814
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
青木 克生 明治大学, 経営学部, 専任教授 (20318893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Olcott George 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (80751552)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 知識移転 / 人事管理 / 海外駐在員 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は,2020年度に引き続きコロナウィルスの影響により,当初予定していた海外・国内実態調査の実施は見送りとなった。このような理由により,2021年度は文献研究と論文執筆に集中的に取り組むこととなった。 文献研究については,センスメーキング理論に焦点を置き,その知識移転プロセスに対する影響などを検討した。センスメーキングはWeick, K. E. 1995. Sensemaking in organizations. Thousand Oaks, CA: Sage Publicationsによって広く知られるようになったパースペクティブであり,個人あるいは集団が突発的事象によってルーティン化された活動を中断し,意味形成に従事するようになるプロセスを指す。そのプロセスにおいては,過去に形成された認知枠組みが大きな影響を及ぼすため,慣習的な方法を改め,新しい方法へと変革することは容易ではない。この考え方は,海外子会社の日本的経営の受容とその変革プロセスに大きく作用すると考えられる。Arnaud, N., Mills, C. E., Legrand, C. and Maton, E. 2016. Materializing strategy in mundane tools: The key to coupling global strategy and local strategy practice?. British Journal of Management, 27, 38-57は,センスメーキング概念を用いて多国籍企業の知識移転を分析した一例として挙げることができる。 研究成果の出版という点においては,How outsiders promote organizational change: Active mediation in adaptive sensemakingと題する論文がAcademy of Management Meeting, 2022にアクセプトされている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究進捗状況については,「やや遅れている」との判断が妥当であろう。前年度と同様にコロナの影響から海外実態調査が全く展開できていない。実際のところ,3月にアメリカ調査を予定まで組んだものの,オミクロン株の流行により断念せざるを得ない状況であった。その一方で,文研研究と執筆活動については精力的に取り組んでいた。文研研究については,sensemaking関係の文献をAdministrative Science Quarterly, Academy of Management Journal, Organizational Science, Organizational Studiesなどから収集し、それをレビューした上で論文化した。 まだ出版には至っていないものの、以下の論文が現在投稿中である。Aoki, K., and Staeblein, T. “How to Embrace Technological Discontinuities by Developing Manufacturing Capabilities: The Automotive Cases from Tesla, Toyota and Mercedes-Benz” (California Management Reviewで2回目の審査中),Aoki, K. “How artifacts facilitate knowledge development: Three forms of incompleteness triggering epistemic practices” (Academy of Management Reviewで1回目の審査中)。さらに以下の論文は出版へと至っている。Aoki, K. (2022) “How do material objects promote continuous learning? A framework for understanding gemba kaizen.” Meiji Business Review, 69(1).
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の計画について,a.理論概念の発展,b.海外子会社と日本本社への実態調査,c.研究成果の公表,の3つに焦点を当ててみていく。aについては2021年度においてsemsemaking文献において一定の進展があったため,2022年度はsensemaking関係の文献研究を継続しつつ,ambidexterity文献についても考察の対象へと含めていく予定である。Administrative Science Quarterly, Academy of Management Journal, Organizational Science, Organizational Studiesなどから関連論文を収集し、レビューしていく。bについては,昨年度実施できていない調査を今年度へと繰り越して実施する予定である。アジア(中国,マレーシア,タイ)とアメリカなどで知識移転に関わる海外駐在員と現地マネジャーとの間の分業体制などに焦点を当て実態調査を展開していきたい。cについては,California Management Review,Academy of Management Reviewで現在審査中の論文をさらにブラッシュアップしていくと同時に,Academy of Management Meeting, 2022にアクセプトされた論文How outsiders promote organizational change: Active mediation in adaptive sensemakingをブラッシュアップし、Administrative Science Quarterlyへと投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
2021年度はコロナウイルスの影響により予定していた海外実態調査が展開できなかった。また同じ理由で海外学会への参加も見合わせた。直接経費の大部分を海外出張が占めているため,大幅に繰越額が生じることとなった。今年度は海外調査が可能となった場合は,繰越額も含めて海外出張で費やす予定である。出張地としてはアメリカとイギリス,ドイツを予定している。8月にアメリカで開催されるAcademy of Management Annual Conferenceについてはペーパーが既にアクセプトされている。可能であれば,8月の国際学会出張も実施する予定である。
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Research Products
(4 results)