2021 Fiscal Year Research-status Report
日本の地域企業における戦略的フィランソロピー・モデルの探求
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19K01816
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
小山 嚴也 関東学院大学, 経営学部, 教授 (60288347)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 地域企業 / 戦略的フィランソロピー / サステナビリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「日本の地域企業における戦略的フィランソロピーの新たなモデル」の構築を目的とするものである。 2021年度は、まず、経営学史学会第29回全国大会において、「市場課題解決装置としての企業から社会課題解決装置としての企業へ」 というテーマで統一論題報告を行った(オンライン)。また、その報告内容を論文にまとめ、『経営学史学会年報第29輯』に投稿した。この研究では、サステナビリティ時代において企業活動がどう変化しているのかについて、仮説を探索することを目的とした。その中で、地域企業の戦略的なフィランソロピーへの取り組みとして福島県いわき市の株式会社磐城高箸の事例を取り上げ、その活動を分析した。 この磐城高箸は地域課題解決のためのビジネスモデルを徹底的に追及するとともに、フィランソロピーをCRMの手法を用いてブランド認知とブランドイメージの構築の手段として活用しているのが特徴である。そして、磐城高箸は地域課題の解決という社会的目標の達成を事業化することで、同社の経済的目標と社会的目標を一致させるというケースであることを示した。したがって、地域企業のフィランソロピーの1つのあり方としては、それ自体が事業活動とは独立したものというのではなく、社会課題解決のための手段として、事業活動との組み合わせ、もしくは選択という観点から戦略的に取り組まれるものとみることができる。 他方で、新型コロナウィルス感染症の影響で、予定していたヒアリング調査の一部を中止した。そのため、先行研究、具体的には国内外の戦略的フィランソロピーおよびコーズ・リレーテッド・マーケティングに関する文献の渉猟と検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響で、地域企業に対するヒアリング調査が十分にできていないため。特に、地方の企業へのヒアリングについては、現場視察を含めて支障が出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度についても、新型コロナウイルス感染症の影響により研究計画は大きく変更せざるを得ないことが想定されるが、調査対象に配慮しつつ、可能な限りヒアリング調査を実施するとともに、文献調査、研究者とのオンラインでの意見交換を行いながら、成果を論文にまとめる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響でヒアリング調査が実施できないため。 実施できなかったヒアリング調査、研究者との意見交換のほか、新たな文献調査のために使用する。
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Research Products
(1 results)