2020 Fiscal Year Research-status Report
A study about the management for facilitating cross-sectoral collaborations toward promotion of regional industries
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19K01817
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
川端 勇樹 中京大学, 経営学部, 教授 (00614702)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 異分野間連携 / 促進のためのマネジメント / 初期条件 / 場 / 創発的相互作用 / 介入 / ドイツ医療機器産業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「自己組織的な異分野間の組織間連携の成立という複雑性に特徴づけられる対象を、地域産業の振興に向けていかにマネジメントするか」を研究テーマとして以下の3つのリサーチクエスチョンをたててその解明に取り組んでいる。 R.Q.1 競争力のある地域新産業の振興に向け、異分野間の自己組織的な組織間連携の成立を促進させるために、地域にいかなる体制を誰によってどのように構築するか? R.Q.2 異分野間の自己組織的な組織間連携の成立へのプロセスはいかなるのもので、その促進のためのマネジメントは、誰が・どのように推進するか? R.Q.3 同マネジメントを推進する運営体に求められる体制・能力はどのようなものか? 2020年度は、新型コロナの影響により海外出張を伴う現地調査を実施することができなかった。それを踏まえて、当該年度は、成果物の作成と理論構築および関連するケーススタディの準備に取組んだ。 成果物に関しては、前年度のリサーチクエスチョン1に関するケーススタディの論文に続き、リサーチクエスチョンの2に関する文献レビューによる概念モデルの構築とそのモデルの妥当性をケーススタディを通して検討する研究論文を、国際ジャーナルの査読付き論文に投稿し採択・公刊に至った。理論構築においては、リサーチクエスチョン3に関する文献サーベイとレビュー論文の作成を今年度にかけて継続しており完成を目指している。また、同リサーチクエスチョンに関連するドイツをはじめとするEU諸国における取組みに(「クラスター組織」とよばれる事業体の設立・その体制や運用・求められる能力等)ついても今年度にかけてネット等を活用した調査を継続しており、ケーススタディの準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度の研究の進展は、2019年度までに現地調査によるデータの収集が計画よりも早く進めることができ、コロナ禍での現地調査の制約にも関わらず、上述(研究実績の概要)の進展を得ることができた。 これらは、上述した2019年度までに収集した現地調査によるデータを基にしたケーススタディの論文としての成果となった。 また、今年度に主に取り組む予定である上述リサーチクエスチョン3のケーススタディの基となる文献サーベイとレビュー論文の作成や関連する取組み情報の収集についても、今年度の前半には完成する見込みとなるように2020年度中に進めることができた。 以上から、研究はおおむね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のように2020年度までの研究は順調に進展したが、今年度以降に上述のリサーチクエスチョン3を主な対象とした研究を進めるためには、さらに現地調査によるデータ収集を進める必要がある。しかしながら、コロナ禍において訪問したうえでの対面でのインタビュー等の現地調査における制約については、同様の状況が本年度も続くことが予測される。 これに対応して、今後のデータの収集に関しては、二次資料の収集とともに、現地調査を伴わないZoom等によるインタビュー調査による代替も検討したうえで、調査対象者への調査協力依頼や調整をする必要がある。 しかしながら、データ収集は現地視察も含め、対面でのやり取りを通して得られる効果が大きいという側面もあり、進展状況によっては研究期間の4年目への延長申請も検討する必要性を予想している。
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Causes of Carryover |
予定していた現地訪問によるインタビュー調査が、コロナ禍により実施することができなかったことが主な理由である。 現地訪問によるインタビュー調査を本年度は実施したいが、現下の状況からは困難であることが予測され、計画が困難であることが実情である。 上述で記載した代替的なデータ収集や二次資料での代替等も考慮の対象とし、さらには研究期間の延長も含めて、使用計画を検討している。
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