2020 Fiscal Year Research-status Report
サプライチェーンレジリエンス向上に向けたシステムアーキテクチャ構築の国際実証研究
Project/Area Number |
19K01824
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
崔 宇 追手門学院大学, 経営学部, 准教授 (60445004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井戸田 博樹 近畿大学, 経済学部, 教授 (10352957)
太田 雅晴 大阪学院大学, 経営学部, 教授 (00168949)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | サプライチェーンレジリエンス / システム・アーキテクチャ / 合意形成アルゴリズム / SCMのデジタル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、デジタル技術の発達によりサプライチェーンの効率性と拡張性が著しく高まっているが、突発的事件の頻発などによるサプライチェーンの複雑性と脆弱性が顕著になっている。本研究はその根幹的な対策であるレジリエンスの改善を急務な課題として捉え、サプライチェーン企業のレジリエンス向上の解決策を提言することを目的とする国際実証研究である。今年度は本研究の2年目にあたり、以下の研究結果を提示することができた。 1、突発的事件などによるサプライチェーンのダメージ度合いに対して、規模的・時間的・破壊的なインパクトを測るためのクライテリアを開発し、それぞれ該当する対処のアプローチをシステマティックに分析を行い、典型的リスクマネジメントとサプライチェーンレジリエンス(SCR)の相違点について明らかにした。 2、既存のサプライチェーン・システムにおいて、SCRの強化を追求するには限界があり、SCRの向上と資源投入の均衡点(適度なレジリエンス)を求めることが困難であることを例証できた。 3、COVID-19のように、システム全体にわたってサプライチェーンの寸断による混乱作用が及んでおり、長期的かつ致命的なダメージを根本的に取り除くには新しいシステム・アーキテクチャ、つまり、合意形成メカニズムの導入による自律分散型システムへのトランジションが必要であることを論証できた。 また、国内外の共同研究者と研究協力者とともに、国際学会で研究成果を発表し、国際共同研究と国際ジャーナルへの投稿も実行できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19のグローバルな蔓延により、当初計画していた実地調査や海外研究協力者との共同作業がスムーズに実行することができず、計画調整には時間がかかったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、サプライチェーン(SC)の新しいシステム・アーキテクチャのトランジションを行うために、合意形成アルゴリズムによる自律分散型システムの情報収集・伝達、データの安定性・セキュリティ・信頼性の保証といった構成要素の適合性を検証し、サプライチェーンレジリエンス(SCR)の向上を有効に実現するための具体策を明らかにする。
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Causes of Carryover |
COVID-19のグローバルな蔓延により、当初計画した現地調査が行われず、予定していた研究費の使用を一部実行しなかったためである。 次年度では当初の使用計画を調整し、デジタル技術の利活用に重点をシフトして、デジタル・コンテンツやデバイスの購入に使用する予定である。
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Research Products
(7 results)