2020 Fiscal Year Research-status Report
イノベーション人材育成を通じた知識社会の持続的成長
Project/Area Number |
19K01830
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴山 創太郎 東京大学, 未来ビジョン研究センター, 客員科学研究員 (30609285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎗目 雅 東京大学, 大学院公共政策学連携研究部・教育部, 客員准教授 (30343106)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 科学技術政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
公共部門において営まれる科学技術「知識」生産は現代知識社会の基盤を形成している。先進諸国のイノベーション政策は知識生産の促進を目的として数々の施策を試みてきたが、多くの政策は近視眼的であり、特に知識生産を支える「知識人材」の長期的育成の視点に欠ける。学術的にも類似の問題が存在し、知識生産と人材育成を整合的に説明する理論の構築が必要とされている。本研究では、「知識生産」と「知識人材育成」の時間発展のメカニズムを理論化し、これを実証データに基づき検証し、イノベーション政策への示唆を提供することを目的とした。
本研究は、理論モデルの構築、実証データに基づくモデル検証、政策オプションのシミュレーション評価から構成される。実証分析では、以下3つのアプローチからデータを取得する。(1)詳細なメカニズムの検証を目的として、国内大学・公的研究機関において研究・教育に従事する知識人材を対象としたフィールド調査を行う。(2)政策環境の比較分析、及び、幅広い政策オプションの検討を目的として海外におけるフィールド調査を実施する。(3)中長期的な動学的理解を補う目的で各種2次データを用いた大規模データ解析を行う。
今年度は、初年度に収集した国内フィールド調査データをもとに計量経済分析を行った。特に知識生産と知識人材育成の時間発展のメカニズムの理解を深める目的から、知識人材の早期キャリア・ステージにおける研究環境の影響を分析し、成果を論文に纏めた。また次年度の国際比較分析に向けて、欧米における質問票調査の設計、実施準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に収集した国内フィールド調査データをもとに計量経済分析を行った。また次年度の国際比較分析に向けて、欧米における質問票調査の設計・実施準備を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、政策環境の比較分析、及び、幅広い政策オプションの検討を目的として欧米におけるフィールド調査を実施する。
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Causes of Carryover |
2-3年度目にかけて準備・実施中の調査費用の一部を2年度目から3年度目に移行した。
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