2019 Fiscal Year Annual Research Report
企業の環境変化による従業員の倫理的ジレンマと組織不祥事に関する研究
Project/Area Number |
19K01839
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
井上 昌美 城西大学, 情報科学研究センター, 研究員 (10640914)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 組織的不正 / 組織不祥事 / 倫理的ジレンマ / 企業倫理 / 従業員 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度、次の通り研究を進めた。 第一に、コンプライアンス違反、企業倫理、倫理的ジレンマ、組織コミュニケーション等に関する先行研究や近年の先行調査類を確認し、特に組織的不正行為・従業員の倫理的ジレンマに関する調査や研究に関する検討が充分にされていないことが分かった。第二に組織的不正が発生した企業の第三者委員会等の調査報告書を数社分確認し、実際に発生した組織的不正の要因について考察した。第三に、先行研究・先行調査、入手した組織的不正に関する報告書等と、本研究に取り掛かる前に実施したプレ調査の分析結果から、企業インタビュー調査票を作成し、1社のインタビュー調査を実施した。その結果、実施した企業では組織的不正のリスクに気が付いていなかったが、質問への回答によって自社の組織的不正のリスク要因に気が付き、また組織的不正に繋がる事象が発生していたことが分かった。第四に、組織的不正が発生した企業の従業員と未発生企業の従業員のそれぞれ同数(各150)に対し、組織的不正に関するインターネットを利用した質問票によるアンケート調査(第一回目、2020年2月実施)を実施した。分析の結果、組織的不正が発生した企業の従業員と未発生企業の従業員の回答において、明らかに相違があることが確認できた(平均値の差の検定にて有意差が認められた)。特に、発生の背景、要因、防止策に対する考え方や評価のいくつかにおいて相違が導出され、調査仮説を裏付ける結果が得られた。
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