2021 Fiscal Year Annual Research Report
Business failures prediction by the machine learning
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19K01843
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大槻 明 日本大学, 経済学部, 教授 (30527833)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 機械学習 / 企業倒産予測 / 財務諸表データ分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,機械学習のアプローチから企業の財務諸表データを分析することで企業倒産予測を行うモデルについて研究開発することである.先行関連研究では「倒産する,しない」の2値を予測する先行研究が多く「何が原因で倒産しそうなのか?」という理由までは明らかにすることができなかった.対して本研究では,倒産する,しない,の予測だけでなく,倒産の原因になり得る財務状態についても明らかにすることができるようになるため,企業にとっても有意な知見が得られるようになると考えられる. 本研究の実績としては,まず,倒産・非倒産企業の直近5年分の財務諸表時系列データを数百件程度取得した.そして,取得した財務諸表時系列データから特徴量を抽出する手法について研究開発した.そして,この手法により得られた特徴量を機械学習に応用することで企業倒産予測を行うモデルについて研究開発した.このモデルは,大きくは下記①②モデルから成り立つ ①モデル作成:学習データ(倒産・非倒産企業混合184社) > 正規化 > PCA(主成分分析) > シルエット分析でクラスタ数Kを決定 > Kクラスタでクラスタリング > 学習モデル保存 ②予測:入力データ(非倒産企業1社) > 学習モデルで正規化 > 学習モデルでPCA > 学習モデルに当てはめて,どのクラスタに所属するかを予測.予測結果の出力は1企業ごとに行い,1企業につき1つの予測結果が出力される. そして,評価実験を通じて本モデルの有効性について確認した.具体的には,サンプルデータによる評価実験の結果,倒産原因ごとに倒産企業をクラスタ分類することができていた.さらに,非倒産企業についても,将来の倒産リスクごとに適切に分類できていたことから,財務諸表時系列データから特徴量を抽出しクラスタ分析する本モデルの手法は倒産予測と将来の倒産リスクの解明について有効であることが明らかとなった.
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